これはすごい! 水を使わないトイレの作り方 災害で断水状態になった時に備える
- 育児・子育て
災害時のトイレの備えについて、「自宅に何をどれくらい準備しておけばよいのか知りたい」「作り方や使い方を知りたい」と考えているかたは多いでしょう。今回は、災害時のトイレの専門家・長谷川高士さん(「チーム・トイレの自由」代表)より、「水を使わないトイレ」の準備や使い方について具体的にお伝えします。
断水しても大丈夫。災害時は「水を使わないトイレ」で乗り切れる
自宅の洋式便器を使った「水を使わないトイレ」は、ポリ袋に用を足します。
——そう聞くと、「ポリ袋のおしっこ・うんち(=し尿)はどうなるの?」と、気になるかたもいらっしゃるでしょう。大前提として、まずは次のことを知っておきましょう。
・災害時には、し尿ゴミ(おしっこ・うんち)は市町村ごとの決まりに沿って処理される。
・収集が始まるまで、し尿ゴミは家で保管する。
→臭いが気になる場合は防臭袋で保管するとよい
・し尿は水気があり、そのままではゴミとして出せない。用を足すたびに水気を吸わせきることが必要
→凝固剤がなくても、細かくちぎった新聞紙、オムツ、尿とりパッド、ペットシートなど、水気を吸うもので代用できる
・し尿の水気を吸わせたら、空気を抜いて袋の口を結ぶ
「水を使わないトイレ」の準備
(1)まずは、便器のふたと便座を上げる。
(2)便器に「下地袋」を1枚かぶせる。
<ポイント>
・下地袋のかぶせ方は「便器の手前からかけて奥へ」
・下地袋の底を、水がたまっているところへ深く入れます(おしっこ・うんちが底にたまりやすくなります)
(3)養生テープで「下地袋」を便器に固定する
<ポイント>
下地袋は、「水洗トイレが使えるようになるまで外さない」。これを家族で共有しておきましょう。
(4)(2)と同じ要領で、下地袋の上に排泄(はいせつ)する「便袋」をかぶせる(自宅トイレの場合)
<ポイント>
避難所でセットするときは、不特定多数の人が利用することによる感染リスクを避けるためにも、「便袋」は便座の上からかぶせましょう。
(5)「便袋」をかぶせ終わったら、便器の底の部分を再度しっかりと押し込む
<ポイント>
こうすることで、おしっこ・うんちが底にたまりやすくなります。
(6)便座を下ろす
これで、「水を使わないトイレ」の準備ができました。
※下地袋や便袋をうまく使うひと工夫、袋をかぶせる時のコツなどを詳しく知りたいかたは、長谷川さんがレクチャーする次の動画が参考になります。
https://youtu.be/VkdeOwZTnQw
「水を使わないトイレ」に必要なもの(カッコ内は1週間の目安量)
・下地袋用;45Lのポリ袋 (1枚)
→便袋を便器の底にたまっている水で濡らさないようにするためのもの
・便袋;45Lのポリ袋 (使用する人数×8枚×7日)
→用を足す袋。1回に1枚使用
・凝固剤 (使用する人数×8個×7日)
→排泄物の水分を吸わせる(固める)もの
このほか、小さくして固くしばった便袋(し尿ゴミ)が収集されるまで保管しておくための消臭袋があると、なおよい。
「水を使わないトイレ」の使い方
おしっこ・うんちの水気を吸わせるための「凝固剤」を入れるタイミングや、便袋の片づけ方は、今のうちに知っておくとよいですね。
(7)便座に座り、用を足す
(8)凝固剤(など吸わせるもの)で水気を吸わせきる
(9)おしっこ・うんちが入った袋を引き上げ、空気を抜いて口元を縛る
便袋を引き上げる
おしっこやうんちの水気を吸わせきった部分のすぐ上を片手でつまむ
もう片方の手で空気を押し出して抜き、口元をしばる
(11)収集されるまで、自宅で保管する
<ポイント>
他の可燃ゴミと分けて保管しましょう。
(自治体の収集が再開されるまでは、自宅で一時的に保管する必要があります)
「水を使わないトイレ」の作り方・使い方、特に用を足したあとの便袋の縛り方などのコツを具体的に見て知りたいかたは、長谷川さんがレクチャーする次の動画が参考になります。
https://youtu.be/VkdeOwZTnQw
日常の当たり前のことが、当たり前にできなくなるのが災害後の生活です。
お子さまがいるご家庭であれば、これを機会に、「地震で水道が止まったら、トイレの水が流れなくなるよ。どうしようか?」と、お子さまと話してみてはどうでしょう。
「おしっこ」や「うんち」の話が好きな子どもが、その言葉を口にしたときがチャンスです。
まとめ & 実践 TIPS
トイレが使えなくなったときにどうするか、その手段について選択肢を持ち、準備しておくことが大事。感染対策の一つとしても、ご家族でマジメにその時の状況を想像し、今回紹介した動画を見て、一緒に準備&トレーニングをしておきましょう。
写真と動画の提供:チーム・トイレの自由
- 育児・子育て