学校の勉強がつまらなくて不登校 その理由が本当かどうかを見極めてほしい[不登校との付き合い方(8)]

子どもが学校に行きたくない理由は、さまざまな原因が重複しています。その原因のひとつに、学力が高い、興味が合わないなどで、学校の勉強がつまらなくて不登校というケースもありそうです。その場合、保護者としてはどうやって勉強する場を作り、どう見守ったらよいのでしょうか。「不登校新聞」編集長の石井志昂さんにお話を伺いました。

この記事のポイント

知的レベルが高くて大人な子どもは、周りと話が合わない

勉強がしたくなくて学校に行けなくなる「落ちこぼれ」という言葉の逆ベクトルとして、学力が高くて学校へ行く意味が見いだせなくなる「浮きこぼれ」と呼ばれる子どもたちは、たしかにいます。また、学力が高いというよりも、知的レベルが高くてとても「大人」な子どもだから周りと話が合わないという子もいます。

小学生でも、子ども扱いされるのを非常にいやがる子がいます。そうした子どもたちは、消しゴムのメーカーが違うというだけでいじめごっこが始まるような同級生とは、話は合わないでしょう。子どもっぽいところがないことで、子どもたちの輪の中で浮いた存在になってしまいがちです。

学校の勉強がつまらない、と言っている子どもは、自分に合う塾や学習法、発達段階に合ったケアがある環境が見つかると、そこで学力が一気に花開くこともあります。

また、学力が特別高いわけではないものの、虫や魚や植物がとても好きな子どももいます。たとえば、学校に行く途中で自分が気になるものを発見すると、何時間もその場から離れられなくて、学校に遅刻してしまいます。ただ、通常は年齢が高くなってくるにつれて、だんだんそういうことをしなくなるものですが、学究肌の子どもはちょっと違います。自分の気になったものについて調べたり考えたりし続けます。好きなことと、やるべきことができることの凸凹が激しい子どもですが、本人はとても幸せそうに生きているので、周りの人はサポートしてほしいと思います。

本当に学力が高すぎて学校がいやなのか、見極めは大切

子どもの得意なことを伸ばすことが望ましいとわかっていても、保護者は何事も平均的にできる子どもに育てようとすることが多いでしょう。だから、苦手なことはとことん苦手で、周りと合わせることができないけれど、ずば抜けた才能をもつアスリートや研究者になる人の保護者は、とても苦労しているようです。

それでも、この子は好きにやらせるしか選択肢はないんだと、保護者があきらめることが大事なのだろうと思います。集中している時はすばらしい勢いで学んでいるのだから。この子はこれで大丈夫、と信じてあげてほしいです。

ただ、注意したい点があります。勉強が合わないから学校を休みたいと言っている場合、別の理由が隠れているかもしれない、という点です。不登校の本当の原因を語りたくなくて、勉強が理由なら大人も納得するだろうと思っている場合もあります。私自身、学校時代にいじめがあったということを話したのは30歳過ぎてからですし、親には直接は言っていません。

学校に行かない選択は、大人が考える以上に子どもにとって深刻なこと

子どもは、学力を得に学校に行っているわけではありません。子どもが学校へ行くのは、友達と話したり遊んだりするためで、そういう時間が楽しいから。多少の「やりたい勉強ができない」という程度なら、ほとんどの子どもは学校に行きたがるものです。学習以外のことがしたくて、学校に通っているのですから。そうした時間をすっぱりあきらめてでも、学校に行きたくない、違うところに行きたいというのは、よほどの理由があるはずなのです。かなり多くの子どもは、学校へ行きたいものなんです。

それでは、学校の勉強が合わなくて不登校なのかを見分けるポイントはどこにあるでしょうか。それは、笑顔の量です。本当にやりたいことがあるときは、子どもはとても楽しそうにしています。今の学校に行くよりもこうしたいと言ってきた時に、キラキラした笑顔だったら、それは本心でしょう。一方で、暗い表情をしていたら、どんなに学力が高い子でも、それは「言い訳」なのかもしれません。ほかにつらい原因がある、と気づいてあげてほしいです。

笑顔は大事なバロメーターだということを、忘れないでいてあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

学力が高くて「浮きこぼれ」となってしまうような子どもの場合でも、学校に行かないという選択はよほどのことと言えそうです。したい勉強ができないから学校に行きたくない、というのは「言い訳」で、実はつらい原因があるのかもしれません。なにが本当の原因なのか、子どもの表情をよく見て、見守ることが大切となるでしょう。

プロフィール

石井志昂

石井志昂

『不登校新聞』編集長。1982年生まれ。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。17歳から不登校新聞社の子ども若者編集部として活動。不登校新聞のスタッフとして創刊号からかかわり、2006年に編集長に就任。現在までに不登校や引きこもりの当事者、親、識者など、400名以上の取材を行っている。

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