我が子って天才かも?! 子どもに合った上手な才能・資質の伸ばし方とは

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子どもと過ごしているとき、ふとした瞬間に「えっ?! うちの子ども、もしかして天才では?」と思う瞬間、ありませんか? 生まれながらの個性差はあれど、多くの子どもたちが何かしらの≪得意≫を持っていたりします。大切なのはそれを、上手に見極めて伸ばしてあげられるかどうか。

0歳から6歳のお子さまを育てる保護者を対象におこなったベネッセの調査によれば、「うちの子天才!」と思ったことのあるかたはなんと8割にものぼっています。とはいえ、生きていくためには働いて自立することも必要で、そんな保護者の直感が将来に仕事に生かせるかどうかは未知数です。

お子さまの才能を伸ばしつつ将来の可能性を広げるにはどうすればよいのか? 後悔のないように対応していきたいものですね。

この記事のポイント

これからの社会や教育はどうなる?

文部科学省による「教育課程企画特別部会 論点整理」によれば、2030年の日本は65歳以上が総人口の3割まで増加、さらに生産年齢人口は約58%へ減少するとされています。世界中の人々との交流が多くなるグローバル化が進み、情報や機械の高速化・高性能化が進み、子どもたちの65%は、今はまだ存在していない職業に就く可能性があるそう。

さらに2045年には人工知能が人類を超える可能性も指摘されており、学校教育においても「社会とつながりを持つ、開かれた環境」への見直しが進んでいます。

こう考えると、子どものためにいったい何をどうしてあげればいいのか分からなくなってしまいそうですね。しかし、首相官邸ホームページで提言されている「これから求められる資質」を見れば、ヒントが見つけられるのではないでしょうか。

これから求められる「資質」とは?

これからいろんな面でどんどん進んでいく「機械化」。簡単な作業は機械が担うようになり、人は「人間だからこそできる」仕事・作業を求められるようになります。だからこそ伸ばしていってあげたいのは、大きく分けて3つの資質。

つい先日はできなかった遊びがいつの間にかできるようになっている、数人で遊んでいるときに自然とまとめ役になっている……など、実は日常生活のなかでそれぞれの資質が現れていることもあります。これはお子さまの行動の根底となるものなので、得意な資質を見つけて伸ばしやすい環境を整えましょう。

・主体的に課題を発見し解決に導く力、志、リーダーシップ

「主体的」とは、自分の意志や判断で周りを見て、言われたことだけでなく自ら行動することです。これには考える力が必要ですが、言われたことをやるだけの環境では考える力は育ちにくいのです。とはいえ「自分で考えなさい」といった≪丸投げ≫ではお子さまも困ってしまうため、非常に難しいところ。

保護者が上手にサポートするなら、方法やアイデアのきっかけだけを与え、あとは口出しせずに見守るのがおすすめです。とりあえず最後まで自分でやってみることで、「ここがダメだったかもしれない」「もっとこうすれば違う可能性があるかも」などの課題を見つけやすくなります。

・創造性、チャレンジ精神、忍耐力、自己肯定感

「創造」というと少し壮大に聞こえますが、実は毎日のあちらこちらに「創造するきっかけ」は散りばめられています。たとえば「パンにバターを塗って焼くのではなく、マシュマロに変えると美味しいのでは」「余った段ボールでおもちゃを作る」など。これらは機械では思いつかない、人間ならではのアイデアです。やってみて成功したと感じれば自己肯定感の向上や、さらなる大きなチャレンジへと繋がる可能性も。

ここで保護者が気を付けたいのは「そんなことしないの!」と子どものアイデアを否定してしまわないこと。予測されるヤケドやケガの可能性と大量に出るであろうゴミなどは気になりますが、考えられるリスクを事前に伝え、目は離さないようにして被害は最小限に抑える工夫ができるとgood。

・感性、思いやり、コミュニケーション能力、多様性を受容する力

グローバル化が進むこれからの未来は、いろんな国の人々、そして機械やロボットが身近にいるのが当たり前になっていくでしょう。だからこそ大切にしたいのは、人間だからこそできる「多様性を受け止め、理解する力」や「相手に対する思いやり」など。

「相手の気持ちになって考える」というのは大人でも非常に難しいことです。お子さまの個性によっても得意な子とそうでない子がいるのも事実なので、やはりそれができる子は「それって素晴らしいことだよ」と認めて伝え、本人の大きな長所であると認識させてあげたいものです。

しかし人の気持ちが分かるお子さまは、その分いろんな感情を抱えてしまいがちです。保護者のかたは意見や否定を入れずに話を聞き、気持ちを整理する時間を作ってあげられるとベター。

保護者ができる取り組みの具体例は?

2017年のベネッセ教育総合研究所の資料によると、子どもたちに身に付けさせてあげたいのは学ぶ「すべ(術)」である、とのこと。何かをやりたいと思っても、やり方が分からなければ一歩を踏み出すことができません。やり方・すべ(術)が分かれば、やってみよう・あそこまで頑張ろうという目標も立てやすいのではないでしょうか。

家庭で保護者ができる取り組みとしては、より具体的に考えられるような質問をすることです。例えば「どう思う?」よりも「何がどのように違うと思う?」や、「どうなったの?」よりも「具体的に何が解決して何が解決しなかったの?」など、誰が聞いても同じ意味として理解できる質問・返答を意識してみましょう。

小さなお子さまであれば「これとこれはどう違う?」など、簡単に答えられるように工夫するとgood。返答のために考えたり言葉にしたりするなかで、お子さま自身が何かの気づきを得られる可能性も高まります。

保護者のかたはお子さまの資質や才能を把握し、「それはあなただけの特技であり、素晴らしい部分なんだよ」としっかり伝えることも大切です。自分で考える力が身に付くと応用もできるようになり、自身の資質や才能を生かした活動もしやすくなるかもしれません。

まとめ & 実践 TIPS

子どもたちを取り巻くこれからの環境を知り、どんな力が伸ばしやすいか、それを生かせる職業はどんなものがあるのかなどを考えてみると、お子さまの才能や資質をよりうまく伸ばしていけるかもしれません。ぜひいろんな可能性を考慮して、毎日のやりとりや行動に取り入れてみてはいかがでしょうか。


出典:ベネッセ 教育情報サイト「「うちの子って天才!」って思った経験は、約8割。2歳がピーク」
URL https://benesse.jp/kyouiku/201204/20120425-2.html

出典:ベネッセ教育総合研究所「資質・能力を育む授業づくり」
URL https://berd.benesse.jp/up_images/magazine/VIEW21_kyo_2017_03_toku_01.pdf

出典:文部科学省 資料「教育課程企画特別部会 論点整理」(1.2030年の社会と子供たちの未来)より
URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364310.htm

出典:首相官邸ホームページ「これからの時代に求められる資質・能力と、それを培う教育、教師の在り方について(第七次提言案)」
URL http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai30/siryou1.pdf

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