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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
「どうして?」ばかり言います。普通と異なるのでは、と心配になっています。
「どうして?」ばかり言います。まるで口ぐせのようです。
できるだけ答えてあげていますが、同じことを何度も聞いてきたり、「はり=刺すもの」という言葉から「針はどうして刺すものなの?」「注射の針は?」「ハチは? 蚊は?」「縫う針は?」刺すものなのにどうして、柱をさわって「梁(はり)はどうして刺さないの? どうしてはりなの?」と万事がこうなので、私の方が頭がパニックになりそうです。
特に「雨、アメ」「春、張る」など、音が同じなのに意味が違うものが気になるみたいです。「掃く、履く、吐く」の行為が同時に頭に浮かぶみたいなのです。普通と異なるのでは、と心配になっています。
しつこく聞いてきても叱ることは禁物です。お子さんが興味を失わないようにしてあげることが大切ですが、状況によってがまんさせることも教えていきましょう。
2~3歳ごろは言葉への興味が強く、「これ何? あれ何? どうして?」と聞くことが多くなります。それは発達の過程でとても大切なことです。
もちろん個人差があり、それが強いお子さんとそれほどでもないお子さんがいます。「ちょっと黙って」とつい言いたくなるくらいしつこく聞いてくるお子さんもいて、それに付き合っているとまわりの大人が振り回されてしまうことがあります。
ご相談のお子さんは3歳にしては細かい言葉の使い方、同音意義語などへの興味が強いようですね。自分が興味をもったことはとことん突き詰めないと納得しないタイプなのでしょう。いろいろな言葉を知りたくて素直に疑問をぶつけてくることは悪いことではありません。しかし、時にはこうしたしつこさは発達の問題が絡んでいることもあります。
もし、知識は豊富なのに状況を読めなかったり、融通がきかなかったり、何かやらせてみるとぎこちない、お友だちとのかかわりの中で相手が困っているのに気づかずトラブルになったりなど、言葉以外で何か気になることがあれば少し発達について考えてみる必要があります。
しつこく聞いてきても叱ることは禁物です。穏やかに冷静に話をする姿勢をもつことが大切です。
お子さんの疑問には極力答えてあげなければなりませんが、おうちのかたが忙しいときなどはそうもいきません。「今は一緒にお話しできない」ということを状況に応じて明確に伝え、お子さんの気持ちの切り替えをさせていくことが必要です。
子どもの興味は変えようと思ってもなかなか変わりませんが、自然に関心ごとが移っていきます。