頑張りすぎは要注意! 受援力を身につけて「頼り上手」になろう

「人に何かをお願いするのが苦手」「自分ひとりでできないのはだめなこと」と思い、困ったときにどんな風に周りに助けを求めていいのかわからない、という場合が多いのではないでしょうか。人に助けを求める「受援力」を高めておくと、ポジティブな気持ちで人に頼れて、頼った人も頼られた人も気持ちよくなります。
『「つらいのに頼れない」が消える本』を上梓した産婦人科医で、5人の子どもの母親でもある吉田穂波先生に、「頼み上手」になるスキルについて教えていただきました。

「ありがとうのサンドイッチ」で感謝の思いをたくさん伝える

人にお願いをするときに一番心がけたいのが相手への敬意と感謝の気持ちをしっかり持って、それを余すことなく伝えるということです。「とにかく自分のお願いさえ聞いてもらえればいい」という姿勢ではなく、「あなただからこそ頼めること」という思いを伝えると、頼られた人も「助けてあげたい」「この人の役に立ちたい」という気持ちになれます。

また、頼み事に対してOKをしてもらったときや、力を貸してもらったあとに感謝の言葉を伝えるのは普通ですが、おすすめなのが「ありがとうのサンドイッチ」という方法。実際に力を貸してもらってからだけでなく、相談する前、そして相談して力を貸してもらう前にも「聞いてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようにします。お願いごとを引き受けてくれる、くれないにかかわらず、時間を取ってもらったことに対して「ありがとう」を言っておくと、相手への敬意が伝わり、自分がお願いごとをする後ろめたさや罪悪感というハードルが下がりますよ。

「人に頼る準備が面倒」と思ったときは要注意!

人に頼ったり、物事を頼んだりするときは、言葉だけでなく引き継ぎなどの準備が必要です。その時に「自分がやった方が早い」「準備が面倒くさい」という気持ちを感じてしまうなら、あなたが余裕をなくして疲れているあかしです。そういう状態の自分の心の声に耳を傾け、15分でもいいのでリラックスする時間を作ってください。
気持ちが落ち着いてリラックスできると、「私は人に頼んでもいい人間なんだ」という自己肯定感が高まり、受援力を発揮することが出来るようになります。
これを繰り返していくうちに、「自分は守られてもいい存在なんだ」「今は助けられているけど、いつかは次の誰かを助けよう」と、受援力の輪があなたの周りにどんどん広がっていきます。

「頼ってもいいんだ」という姿勢をお子さんにも見せることが大事

人に助けを求めると批判されるのではないか、自分でできないだめな人間だと思われるのではないか、と考えている方もいるかもしれません。

実際に講演会やセミナーで「受援力」を発揮する練習をしてみると、人に頼るとすごく楽になるし、頼られるのも嬉しかったという感想をたくさんの人が持ってくれますが、日常に戻ると、助けを求めることが難しい、恥ずかしくて声をあげられないという方が多いようです。私は、そういう方たちには、「では、もし自分のお子さんが困ったときに、周囲の人に頼ってほしいと思いますか?」と問いかけるようにしています。すると、皆さんが「もちろん、周りの人に助けてもらってほしい」とお答えになります。子どもが頑張りすぎてパンクしてしまう前に、周りの人に助けを求めてほしいと思うのは当然の親心です。
子どもがいざというときに「助けて」と言えるよう、たくさんの方に助けてもらえるよう、まずは保護者が受援力を高め、お手本を見せられるといいですね。

『「つらいのに頼れない」が消える本-受援力を身につける』
吉田穂波(著)/あさ出版/1,404円(税込)

 人に頼れない人は、頼ることを申し訳なく思ってしまうもの。しかし、むしろ人に頼ることが、相手のためにも自分のためにもなる、すばらしいことだとしたら……?
 本書では、人に頼ることの素晴らしさや人に頼れない理由、受援力を身につけるトレーニング法などを紹介しています。

プロフィール

吉田穂波

吉田穂波

産婦人科医、医学博士、公衆衛生士。
三重大学医学部卒業後、聖路加国際病院で臨床研修ののち、2004年、名古屋大学大学院医学系研究科で博士号を取得。その後、ドイツとイギリスで産婦人科及び総合診療の分野で臨床研修を行い、帰国後は産婦人科医療と総合診療の視点をあわせ持つ医師として女性総合外来の創設期に参画した。2008年、ハーバード公衆衛生大学院に留学し公衆衛生修士号を取得、同大学院のリサーチフェローとして政策研究に取り組む。2011年の東日本大震災では産婦人科医として妊産婦や新生児の救護に携わる。このとき、「受援力」の大切さを痛感し、多くの人に役立ててもらいたいとの思いから、無料でダウンロードできるリーフレット『受援力ノススメ』を作成。国の検討会や多数の講演に呼ばれるほか自治体研修等で「受援力」を学ぶ場作りに取り組む。著書に『「つらいのに頼れない」が消える本』(あさ出版)などがある。現在、神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール設置準備担当教授。4女1男の母。

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