モンテッソーリ教育とは?特徴やメリット、5つの分野を解説!
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モンテッソーリ教育は、子どもの自己教育力に基づいた教育法です。現状、日本では主に幼児教育の手法として知られています。モンテッソーリ教育の特徴や効果、海外・日本での現状を知り、子どもの教育法について考えてみましょう。
この記事のポイント
モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育は、「子どもには自分で自分を教育する、育てる力がある」という「自己教育力」の考えを根底に考えられた教育法です。
医師であり教育家であるマリア・モンテッソーリ博士が考案したため「モンテッソーリ教育」と呼ばれています。
子どもは教えなくても自ら歩こうとしたり、自立に向かい積極的に成長・発達していこうとします。この自発的な力を発揮できる環境で子どもは成長していきます。
モンテッソーリ教育では「自己教育力」に基づき成長を促していくため、能動的な行動や積極性が身に付くと言われています。
最近では、将棋の藤井聡太棋士やAmazonの創設者ジェフ・ベゾス、マイクロソフト創設者ビル・ゲイツなどがモンテッソーリ教育を受けたことで有名です。
モンテッソーリ教育誕生の背景
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師であり教育家のマリア・モンテッソーリが考案しました。
マリアは当初障害のある子どもたちへの教育で成果を上げた感覚教育法を、ローマの貧困家庭の教育に応用する機会を得ます。そこでも知能向上の成果を出しました。その後ローマ大学に再度入学し、教育だけでなく生理学・精神医学の研究にも着手しました。
それまでに得た成果や研究を基にモンテッソーリ教育と呼ばれる幼児教育法を確立しました。モンテッソーリ教育が確立されると、世界各地で支持される教育法となりました。
モンテッソーリ教育の基本的な考え方
モンテッソーリ教育の基本的な考え方は、子ども自身が持つ「自己教育力」とその力を存分に発揮できる「環境」、そしてその環境に関わるための方法を知ることが必要とされています。
モンテッソーリ教育は大人の教育に当てはめるのではありません。子どもの自発的な動きや興味、発達段階によって環境を整え、子どもと環境を「結びつける」ことで子どもの成長発達を促します。その中で子どもは能力を獲得していくのです。
モンテッソーリ教育の特徴5つ
日本ではモンテッソーリ教育が学校教育において広く取り入れられているわけではなく、小学校入学前の幼児教育としてよく取り入れられています。
あまりなじみのないモンテッソーリ教育ですが、従来の教育とは異なり発達段階に合わせた教育となっています。また成り立つためには「環境」「教具」「教員」が必要と言われています。
そのようなモンテッソーリ教育の特徴について「行事が少なめ」、「発達段階に合わせた教育」、「環境の整備」、「お仕事の時間」、「教具の使用」の5つをご紹介します。
1:行事が少なめ
通常の幼稚園保育園ではさまざまな行事が開催されますが、モンテッソーリ教育では行事が控えめです。
モンテッソーリ教育では「日常生活」を大事にする考え方があります。そのため、運動会やクリスマスなども発表のための練習などはあまりせず、控えめに行われることが多い傾向にあります。
2:発達段階に合わせた教育
モンテッソーリ教育では、発達段階の特徴で乳幼児期を2つの時期に分けています。
0歳から6歳までを、0〜3歳までの前期と3〜6歳までの後期にわけて考えています。それぞれの時期に現れる発達段階における「敏感期」と呼ばれる自己教育の具体的な表れに合わせて環境を用意します。
敏感期とは、自分の成長状態に合わせて必要な事柄に対して感受性が高まっている時期のこと。環境の中から子ども自身でその対象を選び取り熱心に取り組んで、そこから感じ取れる事柄対象を簡単に吸収することができます。
3:環境の整備
モンテッソーリ教育を実践するには「整えられた環境」の整備が必要となります。
「整えられた環境」とは、次の4つの要素を満たすことで実現します。
・子どもが自ら教具を選べること
・子ども自身が「面白そう」と興味を持つような教具があること
・社会性や協調性が促される、年齢縦断的な「縦割り保育」のクラス編成ができること
・子供一人ひとりの発達段階に応じた環境を整備し、自己形成を助ける教師
教師の役割にも違いがある
モンテッソーリ教育では、大人や教師の役割も一般的な教師とは異なります。
モンテッソーリ教育で大切なことは、周りの大人や教師が子どもの成長を「見守る」スタンスであることです。決められたことを子どもに押し付けるのではなく、選択肢を与えて自ら選び、学び、成長する過程をサポートするのです。
あくまでも子どもの自主性を尊重し、見守りながら子どもたちに何が必要かを注意深く観察し適切な教育を考えます。
そのような教師を育成する教員養成も重要なこととされ、マリア・モンテッソーリにより教員資格も確立されています。
4:「お仕事」の時間
モンテッソーリ教育独特の教具を使った活動の時間を「お仕事」の時間と呼んでいます。
モンテッソーリ教育においての教具を使った活動の目的は、子供自身の自己形成です。通常のおもちゃを利用した一般的な遊びと区別する為に「お仕事」の時間とされているのです。
5:教具の使用
モンテッソーリ教育では個性的な教具を使用します。
子どもは見聞きではなく、実際に体を動かすことで様々なことを吸収し学んでいきます。モンテッソーリ教具は身体全体で学び興味を追求する活動のための道具です。
下記で解説する5つの分野に沿って開発された教具は、子どもの知的好奇心を引き出し、遊びながらも次の学びを引き出すと言われています。
モンテッソーリ教育内容の5つの分野
モンテッソーリ教育には、発達段階に合わせた敏感期に対応する5つの分野があります。
「日常生活」、「感覚」、「言語」、「算数」、「文化教育」です。それぞれについて紹介していきます。
1:日常生活
モンテッソーリ教育における日常生活の分野とは、日常生活の練習のことです。
日常生活の練習の目的は、身体運動の獲得です。子どもは大人の真似をし、体の動かし方を学びます。特に1~2歳の子どもは運動の敏感期にあたり、手指のコントロールを身につけていきます。
子どもは自分の身体を思う通りにコントロール出来るようになることで、自分のことは自分でするようになり、自信と自立心が育まれます。
2:感覚
モンテッソーリ教育では「感覚教育」を取り入れています。
人間は様々な情報を感覚で収集します。感覚を意識して研ぎ澄まし洗練していくことで、外界からのバラエティに富んだ情報をしっかりと吸収することができるのです。
モンテッソーリ教育では、3歳以降を「感覚の敏感期」としています。3歳になれば多くの感覚器官が発達しており、外界からの感覚刺激に対して敏感になっているのです。
感覚教育により、脳の前頭葉が活動して「ものを観察する能力」や「ものを考える方法」を身につけていきます。そしてそれは「言語・算数・文化教育」などの知的教育分野の基礎となります。
3:言語
モンテッソーリ教育では、言語教育も重要な分野のひとつと考えられています。
子どもはもともと言語を持って生まれてきていません。自分の「言語の敏感期」に合わせて周りの言語や環境により母国語を習得していきます。言葉の量や質は環境に左右されやすく、発達段階に合わせて語彙を豊かにしていきます。
モンテッソーリ教育では、絵本や絵カード文字カードなどの「教具」を活用し、「話す」「読む」「書く」の作業を通して語彙を豊かにすることを目指します。
4:算数
幼児期には大きさや量に興味を示す「数の敏感期」が表れます。
算数教育は主に算数教具を利用して進めます。数の感覚から抽象、抽象から具体へ導くよう促します。教具を利用することでただ単に数を数えるだけでなく、具体的なものとして扱えるようになります。
5:文化
文化教育は、「ことば」と「かず」以外の、子どもが興味をもつ幅広いテーマを扱う分野です。
具体的には、理科や社会に相当する内容で、歴史や地理地学、社会動植物といったものです。また、美術や音楽など知識ではなく身近なものとして体験して感じることで、文化として獲得していきます。子どもの知りたい欲求や興味のあるものを大事にしておくのです。
モンテッソーリ教育のメリット
モンテッソーリ教育で得られる5つのメリットを1つずつご紹介します。
1:自主性や積極性が身につく
モンテッソーリ教育は、決められたプログラムに取り組む受け身の学習ではなく、子どもの「やりたい」「チャレンジしてみたい」という気持ちを尊重して学ぶものです。たとえ包丁や針などを使う「お仕事」であっても「危ないからダメ」と禁止されず、安全な使い方をサポートしてもらい、取り組むことができます。自分の意思を優先した主体的な学びを続けていくことで、自主性や積極性が身についていくでしょう。
2:集中力が養われる
モンテッソーリ教育では、子どもの自主性が重視されています。「お仕事」をしている際、たとえうまくいかないことがあっても大人がすぐに助けたり、過度に手を貸すことはありません。そのため、子どもは目の前の「お仕事」に夢中になって没頭することができます。その結果、高い集中力を身につけていくことができます。
3:情緒が安定する
自分のやりたいことに夢中になって取り組み、満足するまで没頭できるため、心が安定します。また、他の子どもと比較されたり、点数がつくことがないため伸び伸びと学べます。情緒が安定するのも、モンテッソーリ教育の大きなメリットの1つです。
4:思いやりが身につく
モンテッソーリ教育では、縦割りのクラス編成がとられます。異年齢の子どもたちがそれぞれ学ぶことで、下の子にやさしくしたり、上の子をお手本にしたり、お互いにゆずりあったりする経験が豊かになります。そのため、相手を尊重する思いやりの心が身についていきます。
5:自己肯定感が高まる
子どものやりたい気持ちを重視するモンテッソーリ教育では「危ないからダメ」「まだ難しいからダメ」とやりたいことを止められることがありません。自分の意思を尊重してもらう経験を積み重ねることで「自分は大切にされている」「受け入れられている」との安心感が強まり、自己肯定感が高まります。自己肯定感を身につけることで、意欲的にチャレンジしていく心も育まれていくでしょう。
モンテッソーリ教育の現状
モンテッソーリ教育は欧米を中心に世界各国で取り入れられています。海外・日本での現状はどのようになっているのでしょうか。
海外の環境
イタリアで生まれたモンテッソーリ教育は、確立後欧米を中心に世界各国に広がりました。
特にアメリカでは「オルタナティブ教育(従来とは異なる教育法の選択肢)」として評価されています。2度にわたりモンテッソーリ・ブームが起こり、アメリカ全土にその教育法が普及しました。
現在アメリカには私立の施設も含めて数百の公立学校と、3000余りのモンテッソーリ教育施設「子どもの家」があります。
日本国内の環境
日本国内においてのモンテッソーリ教育は、義務教育前の幼児教育において多く活用されています。
1960年代にモンテッソーリ教育が紹介されてから教育プログラムを導入する幼稚園や子どもの家が設立されました。モンテッソーリ協会に認められている教育施設もありますが、従来の教育法と合わせてモンテッソーリ教育を活用する施設も多く誕生しています。
モンテッソーリ教育の施設を見学してみよう!
日本では幼稚園や子どもの家でモンテッソーリ教育が取り入れられています。
全国的にはカトリック系の幼稚園や保育園でモンテッソーリ教育を取り入れており、通常のカリキュラムに合わせて取り入れている施設も多くあります。
モンテッソーリ教育の考え方や特徴に興味を持ったら実際に自分の目で教育の現場を見てみてはいかがでしょうか。
日本において、モンテッソーリ教育を実施している園の数は正確には発表されていませんが、「日本モンテッソーリ教育総合研究所」では独自に調査を行い、掲載の承諾を得たモンテッソーリ教育実施園リストを掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考
日本モンテッソーリ教育綜合研究所
http://sainou.or.jp/montessori/
家庭でもできるモンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育の基本でお子さまの自主的な学びをサポートするために、保護者のかたはまず「興味を持ったことを深掘りする」姿勢を大事にしましょう。お子さまの興味に共感し、さらに学びを深められるような声掛けをできるとよいと思います。例えばお子さまから「なんで水たまりと海の色は違うの?」という質問を投げかけられたとしたら、「図書館で調べてみよう」「自由研究のテーマにしてみたら?」など次につながるようなひとことをかけられるといいですね。
また、おりがみや知育アプリでもモンテッソーリ教育で重要な「主体的な学び」を実践することができます。「手を使った活動をする」という点も非常に重要なポイントですので、おりがみやパズルで遊ぶのもよい効果があります。
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