通知表の結果がいまひとつ…というときの子どもへの声かけ術
1学期が終わり、夏休みへ突入する時期。学校では、1学期の成績をまとめた通知表が配られます。楽しそうにがんばっていた様子だけど、通知表を見たら、褒めにくい結果ということも。そんなとき子どものやる気を上げるためにどんな声かけをしたらよいのでしょうか。声かけのポイントとは?
まずは子どもの生活について考えてみる
通知表だけがその子どもの良し悪しを決めるものではありません。
でも、通知表の結果を見ると、「あれ?」と思う保護者のかたもいるのでは。
毎日学校へは楽しそうに行っていたし、なにが問題なのか、不安に思ってしまいますよね。
まずはどの辺りに問題があるのかを考えてみましょう。
日頃から学校の様子を上手に子どもから聞いている保護者なら、学校が楽しいのは、友だち関係がうまくいっているからなのか、得意な科目があるからなのか、または先生から何かを褒められたからなのか、理由がわかっている場合も多いはず。
一方、子どもから学校のことを聞いても、なかなか把握できない場合もあります。そんな場合、通知表を見て少し心配になるかもしれません。とくに算数や国語などの教科の学習の成績が悪かった場合は、授業中に集中できていない、テストでミスが多いなどが考えられます。
また、学年に関わらず、楽しそうに学校に行っていても、勉強の部分ではわからなくて困っていることを放っている子どももいます。意外と通知表が悪いという子どもの中には、人間関係や、悩みを抱えている場合も。
「どうしてこんな成績なのかな?」と思ったら、まず、子どもとコミュニケーションを深めてみるとよいでしょう。原因がわかれば解決策も見つかるはずです。
問いたださないで聞いてあげるイメージで
通知表は総合的に評価されるものです。どんなところの評価がいまひとつだったのかによっても声かけは変わってきます。
◆技能の教科の場合
学習面では、得手不得手がはっきりとあることも多いのが技能教科です。この教科では一生懸命やっていることを、まず褒めてあげることが大切です。
わからないことを責めるように、「なぜ?」「どうして?」と頭ごなしに聞くのは得策ではありません。子どもにプレッシャーを与えてしまうことにも。
「この科目のどこがわからなかった?」などできるだけ、一緒に考えてあげられるような声かけをすることで、子どもも安心して聞いたり、話したりできます。そのうえで、今後成績を上げる方向で、学習をどのようにしていけばよいか一緒に考えてあげられるといいですね。
◆忘れ物など生活面の問題の場合
また、忘れ物が多いなどの生活面や態度には、つい頭ごなしに叱ってしまいがち。でも、ここでもまずは、うまくできていたところはしっかりと褒めてあげることが大事です。
例えば、忘れ物をしなかったことを褒めるなど。それが子どもにとっての自信にもつながっていきます。
また、忘れ物をしたときに、「しまった」と思わない子どももいます。「まあいいや」で終わらせてしまわないように、「必ず持っていかないといけない」ということを、お子さまにわかるように説明をしてあげましょう。理由がわかれば子どもも意識して忘れ物をしないようにがんばるはずです。
◆落ち着きがないと評価された場合
落ち着きがないと言われると、子どもをつい問いただしたくなるもの。でも、例えば科目によって落ち着かない場合、なぜその科目で落ち着かないのか、ということ時間をかけて聞いてあげる必要があります。
原因としては…
・そもそも先生の言っている内容が理解できない
・勉強やその科目のやり方がわからなくなっている
・グループ活動などでうまく一緒にできない
など、何かしら理由がある場合も少なくないのです。問いただすのではなく、ここでも、話を聞いてあげるイメージで、原因を探ってみることが大事です。
子どもに解決策を考えさせる声かけを
子どもの成績表が思ったよりよくなかった場合、大人は「成績がイマイチなのはどうして?」という質問をしたくなります。そこから原因を見つけ出し、そこを改善すれば成績が上がると思うからです。
「もっと早くからがんばっておけばよかった」
「ふだんからもう少し勉強しておけばよかった」
というような答えは、まず子どもたちからは出てきません。
「なぜ?」「どうして?」と聞かれると子どもは、責められている気持ちになります。そうすると、望む答えと違う答えが返ってくるために、親子の会話にずれが生じてしまいます。
それよりは、
「本当はどうしたかったの?」
「次はどのくらいになりたい?」
「特にどの科目の成績を上げたい?」
と言うことを聞き、「じゃあ、どうしたらいいと思う?」とその解決策を子どもに考えさせてあげてください。
小学校低学年の場合、すぐに解決策が出てこないかもしれません。その際は、いくつかの方法を提案して、子どもと一緒に考えて、子ども自身が選択できるようにするのもよいかもしれません。
また、小学校高学年の場合は、自分で考えられるところも多くなります。解決策が見つけられたら「じゃあ、やってみたらうまくいくと思うよ」と「うまくいく」ということを伝えて、取り組みやすい環境へ導いてあげると子どもが動きやすくなりますよ。もちろん、うまくいっても、うまくいかなくても、がんばったことに対しては褒めてあげることも忘れずに。
子どもに対して、保護者が思うようにできないことは多いです。イライラせず、あたたかい気持ちで見守ってあげる姿勢も大事にしたいものですね。