子どもは保護者の関わり方によって、どんどん伸びていく!
何度言っても宿題をやらない、小学3年生の男子。ある日、先生からの提案で宿題を学校でやって帰った我が子に、保護者は「居残りで勉強させられるなんて恥ずかしいし、なさけない」と怒り心頭になった。しかし、コーチングのプロ・石川尚子氏は、「この子には限りない可能性を感じる」と語る。ベネッセ教育情報サイトが、その理由を尋ねた。
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母「今日、学校で居残り勉強させられたんだって?」
子「うん」
母「宿題をやっていかないからでしょ! どんな気持ちだったの?」
子「楽しかったよ!」
母「はぁ〜!? 楽しかったって、一人だけ居残りさせられて、嫌じゃなかったの? 恥ずかしいと思わないの?」
子「別に、なんとも思わないけど」
「居残り勉強をさせられるなんて恥ずかしいこと」という保護者の価値観が、子どもに対する怒りにつながっています。ところが、当の本人は「楽しかった」と言って、いつもしなかった宿題を終わらせて帰ってきているのです。どこが「問題」なのでしょう?
本来ならネガティブな感情がわいてきそうな体験を、「楽しかった」「なんとも思わない」と言える子どもは、関わり方によって、どんどん伸びていくように思えてなりません。物事を必要以上に悲観的、否定的にとらえたり、周囲の目を気にして自己卑下したりする子どもは案外多いもの。その中で、「意に介さない気質」は、ある意味、財産です。
「宿題をやらないからダメな子」、「学校に行かないから問題児」と、目先の現象だけをとらえて指摘してしまうと、本来持っている資源もしぼんでしまいます。それは、非常にもったいないことです。「ここはできていないけど、まあ、いいか。こんなよいところもあるし」と許容してあげることが、かえって、子どもの背中を押します。
失敗を恐れて行動しない子になるのか、のびのびとチャレンジする子になるのかは、大人の許容しだいです。子どもの可能性を、大人の価値観でしばませないでほしいと思います。