タバコや薬物への抑止力も 将来につながる子どもの健康教育

タバコや薬物への抑止力も 将来につながる子どもの健康教育心身ともに健康な毎日を過ごすことは、生きていくうえでの基本といえる。家庭でどのようなことを教えれば、子どもは生涯にわたって自らの健康に気を配るようになるのだろうか。ベネッセ教育情報サイトが、元養護教諭で、帝京短期大学教授の宍戸洲美氏に、家庭での健康教育について伺った。

 

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健康教育とは、子どもが将来、健康な生活を送るために、自らよりよい選択をする力を育てていくことです。帰宅したら手洗いうがいをする、毎日きちんと3食食べるなどの生活習慣から、たばこを吸わない、飲み過ぎは控えるといったことまで、健康を保てるように自分で判断する価値観を身に付けることが目的です。

 

小学生から中学生の子どもに「あなたは健康だと思いますか」とたずねると、「そう思わない」や「わからない」と答えることが少なくありません。自分の体調がわからなかったり、なんとなく調子が悪いと思っていたりするのは問題です。たとえば、「お腹が痛い」と訴える子どもによく話を聞いてみると、排便が3日間もないことがあります。健康維持は自分の体の状態を知ることから始まります。体の変化や異常に気付き、自分の生活との関連を認識できる感覚を育てることが大切なのです。

 

健康への意識を育むには、小学校卒業までの教育が重要になります。子どもは学年が上がるにつれて行動範囲が広がり、自分の家族以外の価値観の影響を受けるようになるからです。中学生になると外部からの情報はもっと入ってきます。喫煙や飲酒は、上級生などにすすめられ、断れずに続けてしまう場合があります。そうなる前に喫煙や飲酒の影響を十分理解させ、断る方法も学んでおく必要があるでしょう。

 

自分の体を大切にする意識を養うには、心の健康もカギ。自分は誰からも必要とされていないと思えば、体に害があるとわかっていても、たばこや薬物に手を出してしまうこともあるでしょう。子どもにたっぷり愛情を注ぐことも健康教育につながるのです。

 

出典:幼児期に始めたい健康教育【前編】健康教育の大切さを改めて知ろう -ベネッセ教育情報サイト

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