レインコートや傘を嫌がる子ども…雨の日を楽しんでもらうには?

徒歩通園やちょっとしたおでかけも、雨が降っているだけで園児にはちょっと大変。レインコートを着て、長靴を履いて、傘をさして、完璧な装備で!と保護者は考えるものですが、子どもによってはそのような雨具を嫌がります。普段は着なくてもいい、持たなくてもいいものをどうして今日に限って?という気持ちもわかるのですが、濡れてしまっては風邪をひきやすくなりますし、たくさんの着替えを持ち歩かなければならない場合もあります。どうすればレインコートや傘を嫌がらずに使ってくれるようになるでしょうか。


「傘を持つ」のはなかなか難しいこと。まずはレインコートから

 幼い子どもが使う雨具は、傘よりもレインコートからスタートするとスムーズだと考えられます。傘を持つには一定の力が必要ですし、自分が濡れないようにさすのにもコツがいります。園児はまだ「物を安定した姿勢で持つ」ということが難しく、なかでも傘は難易度の高いものなのです。早いうちに傘を持ちたがる子どももいますが、重い、大変、というイメージがつけば傘をさすのが嫌いになってしまいます。小さく軽い傘を用意して、「基本的には傘の存在に頼らない」ようにしましょう。絶対に濡れます。

 

さて、レインコートを嫌がる子どももいますが、これにはきちんとした理由があります。ガサガサとして着心地が悪いこと、着ると一気に暑くなること、脱着が面倒なことなどです。そこで、デビューにおすすめなのがポンチョタイプ、ケープタイプのものです。これらは腕を通す必要がないので重ね着の嫌な感じが少なく、脱着も簡単。コートタイプよりは濡れやすいかもしれませんが、まずは大人の傘の下でポンチョやケープを羽織って歩く練習をしましょう。ポンチョやケープに慣れてくれば、レインコートへの抵抗も徐々に少なくなってきます。

 

 

雨具を「自分のお気に入り」にする

 どんなに軽かろうが使いやすかろうが、嫌なものは嫌だと傘やレインコートを受け付けない園児もいます。この場合には、一緒にお店に行って雨具を自分で選ばせたり、好きな模様やキャラクターのシールを貼り付けたりして、「自分のお気に入り」のものになるようにしましょう。傘やレインコートはペンでお絵かきができるものも多いので、油性のペンで一緒にお絵かきをしてもいいかもしれません。雨の時にしか出会えない特別なお気に入り雨具があれば、子どももきっとうきうきするはずです。

 

ただでさえ気持ちが沈んだり、イライラしてしまったりする雨の日。子どもだって同じように感じているかもしれません。そんななかで、どうしてちゃんとレインコートを着てくれないの?どうしてしっかり傘をさしてくれないの?ということばかり思っていると、どうしても雰囲気が悪くなってしまうもの。心のどこかで「多少濡れても構わない」「いつかは上手に傘をさしてくれる」という気持ちを持つようにしましょう。大変なのはこの時期だけ。多くの園児が、年中さん、年長さんに上がる頃には上手に雨具を使えるようになりますよ。

 

プロフィール



自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

子育て・教育Q&A