書き初めにも 回ったり折れたり…毛筆でひらがなを上手に書く極意
小学校3年生から書写の授業で、毛筆の学習が始まり、お正月も宿題の書初めに臨んでいるご家庭が多いだろう。お子さまは毛筆を苦手と感じていないだろうか? 美文字王子こと、横浜国立大学教授の青山浩之氏が毛筆の上手くなるコツ「青山メソッド」で、ひらがなを上手に書く方法を教えてくれた。
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ひらがなは漢字やカタカナとは違うコツが必要です。カタカナが折れなのに対して、ひらがなは曲がりになっています。ひらがなは曲がりが多く、独特の筆使いが必要です。
●「の」
毛筆の課題に登場することが多い文字です。このひと筆でぐるっと書く筆使いを「大回り」といいます。筆の穂先は左ななめ上に向けて入りますが、最初の折れで穂先が裏返り、向きが変わります。そして次の折れでもまた裏返るようにして向きが変わります。その後、大回りしながらもとの向きに戻ります。このように穂先の向きが変わるのが特徴です。
●「え」
線が重なるように向きを変える折り返しが二つあるのが特徴です。筆の穂先の通り道を確認すると、漢字と同じように穂先はずっと左ななめ上を向いています。
●「ま」
ひらがな独特の筆使いで、最後にくるっとまわってとめる「結び」が特徴的です。結びの左端の部分で、筆の穂先の表と裏が逆になります。そこから穂先を横に倒すように右へ動かします。
●「うめ」
「う」は大きな曲がりが特徴です。しっかり肘を使って書きましょう。「め」は「の」と同じ大回りを使います。
●「なつ」
「な」は「ま」とおなじ「結び」をしっかり練習して下さい。「つ」は「の」と同じ大回りです。
ひらがなは「の」「め」「つ」のようにゆっくり大きく回るものがある一方で、「え」や「そ」のようにしっかりと折れるところのある字があります。しっかりメリハリをつけて書きましょう。「大回り」や「結び」の筆使いを理解すれば、きれいなひらがなが書けるようになります。
出典:青山メソッドですらすら書ける毛筆上達のコツ ひらがなのポイントを知ろう -ベネッセ教育情報サイト