悩ましい我が子のスマホ依存 専門家が語る解決に必要なステップとは
今や日常生活に欠かせなくなったスマートフォン(スマホ)。子どもが片時もスマホを手放さない、と嘆く保護者も少なくないだろう。「ライン依存症で、注意しても聞かない」と悩む保護者に、教育評論家の親野智可等氏がアドバイスする。
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【保護者からの質問】
娘がスマホを常に持ち歩き、ライン依存症です。ツイッター、ゲームなどにもかなりの時間を取られています。いい加減にしなさいと叱っても、反発するだけで聞く耳を持ちません。(中学3年生女子の保護者)
【親野智可等氏からのアドバイス】
これは、とても現代的かつ困難な問題ですね。これに対して、心配なあまりがみがみ叱り続けたり、無理なルールを押し付けたりなどの一方的な対応をしてもなかなか改善しません。子どもが反発してさらに心が離れ、お互いの不信感がますます高まるだけです。
この困難な問題に対応するうえでは、親子がお互いによく理解し合って、同盟を結ぶようなつもりで協力して臨むことが必要です。そのために一番大切なのは親子の話し合いであり、これ以外はあり得ません。ところが、本当に実のある話し合いができている家庭は極めて少ないのが現実です。
本当に実のある話し合いは、保護者が子どもの話を本当に心から共感的に聞くことから始めることが大切です。まずは、子どもが自分の言いたいことをたっぷり言える環境をつくりましょう。保護者が伝えたいことは、信頼が高まってから。そのうえで、さも外交交渉をするかのように、お互いの話を聞き合い、譲り合いながら、一緒にルールをつくっていくのです。ルールが守られていたらほめ、守れていなかったら注意する、現実的でなければ改定するなど、毎日の見届けも大事です。
これらの一連の過程は時間がかかって面倒だと思われるかもしれません。困難な問題に親子で誠実に取り組むことをとおして、同時に親子の信頼関係をつくっていくという心構えで臨んでほしいと思います。
出典:スマホのライン依存症[教えて!親野先生] -ベネッセ教育情報サイト