「褒めて伸ばす」に焦りは禁物! コーチングのプロが語る褒める効果とは?
子どもを褒めてやる気を出させたい。そんな思いが空回りしてしまい、かえって子どもにうっとうしがられる……。そんな悩みを持つ保護者も多いのではないだろうか。国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏が、褒め続けることの本当の効果を語る。
たとえば、「あなたの長所は何ですか?短所は何ですか?」と聞かれたら、どんな言葉を思いつきますか? こうしたセルフイメージを考えてもらう質問を、私はコーチングや講座の中でよくします。答えてもらったうえで、「そう思う理由は何ですか?」と聞いてみると、子どもも大人も、半分以上のかたが、「昔から親にそう言われてきたので」と答えます。中には、「通信簿にそう書いてあった」と言う子どももいます。
「あなたは引っ込み思案だから」「あなたは落ち着きがないから」
ずっとそう言われてきたから、大人になってからも「そうなんだ」と思いこんでいる人が案外多いのです。そのイメージにしばられて、自分の可能性を狭めている人もいるのです。
ご自身のセルフイメージをふりかえってみられてはいかがですか? 親から言われた言葉がずっと刷り込まれてはいませんか? 子どものセルフイメージの多くは、良いも悪いも大人の言葉が作っているのです。
まずは、とってつけたような言い方でもよいのです。最初は見透かされていてもよいのです。それでも効果はあります。今この一瞬に効果が見えなくても、投げかけ続けた言葉は、お子さんの長い人生の中で、必ずやお子さんの中でよみがえる時がきます。刷り込まれていく言葉が、「あなたはこんなすばらしい存在だ」というプラスの言葉であってほしい、と私は心から思います。