「考えるクセ」が中高生の学習意欲を維持させる! 専門家が解説
自発的に勉強に向かう子どもになってほしい……という思いは、いつの時代も保護者の悩みごとのひとつ。そこで、教育に関する調査・研究を行うベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏に、前向きに勉強に取り組めるようになるためのヒントを伺った。
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日本の生徒は、「学習意欲が低い」うえに、「学習している内容が社会で役に立つ、という意識が世界の平均と比べて低い」という調査結果があります。これは2012(平成24)年に世界65か国・地域の15歳を対象に実施された、OECD(経済協力開発機構)「生徒の学習到達度調査(PISA)」の調査によるもの。当研究所が実施した調査でも、特に中高生の学習意欲に課題があることがわかっています。
中学生・高校生になっても学習意欲を維持するためには、どうすればよいのでしょうか。
小学校高学年になると、宿題の量が増え、覚えなければいけないことも増えます。先生から「覚えなさい」と言われれば、素直な子は先生の言う通りに覚えるでしょう。しかし、そうした学習だけでは前向きな意欲形成にはつながりません。最近の学校現場で見られる工夫は、「なぜそう思うのか?」「どうしたらできるのか?」などと先生がこまめに質問を投げかけ、言葉を通して考えさせる方法です。「考えるクセ」をつけることが大切であり、それにより学びに前向きな姿勢がつくられるのではないでしょうか。
「どうしてかな?」(起こった事実に対して原因や理由を考える問い)、「どうすればよいかな?」(次に自分がどう行動するのかを考える問い)、この2つの言葉は日常生活の中のさまざまな場面で活用することができます。あまり多用しすぎると、子どもを問い詰めてしまうことになり本末転倒ですから、ほめたり、うなずいたりしながら、上手に活用してください。
出典:「考える」習慣が学習意欲を高める[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト
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