【2023年度中学入試結果】東京・神奈川(男子校編)

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2023年度も2月1日から東京都・神奈川県で行われた私立中学入試。今回は男子校の受験者動向について森上教育研究所がお伝えします。

男子校受験者数は9.6ポイント増、男子校ブーム到来か

最も受験者数を伸ばしたのは偏差値60〜65の上位校

2023年度の東京都と神奈川県の私立中学入試において、男子校・女子校・共学校の中で最も受験者数を伸ばしたのが男子校です。前年度より9.6ポイント増で約900名増加しており、全体の受験者数増加のほとんどを男子校受験者が占めている状況です。男子校ブームと呼んでもよいかもしれません。

偏差値帯別で見ると最も受験者数を伸ばしたのは、偏差値60〜65の上位校のグループです。海城が56名、早稲田は61名、本郷は81名といずれも大幅に受験者数を増やしています。その結果、この偏差値帯の平均の倍率も上がり、2.9倍にもなっています。

23
SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
64 私立 海城 一般① 2/1 1 145 489 545 163 160 3.00 3.41
64 私立 早稲田 第1回 2/1 1 200 662 723 238 257 2.78 2.81
60 私立 本郷 第1回 2/1 1 100 483 564 167 163 2.89 3.46

偏差値65以上の最難関校も受験者数が増加

上位校ほどではありませんが、その上の偏差値65以上の最難関校も2023年度は軒並み受験者数を伸ばし、この偏差値帯の平均の倍率は2.5倍になりました。特に入試日2月1日の開成、2月2日の神奈川の聖光学院と栄光学園はここ数年で最も多い受験者数となっています。

これは全体傾向でもふれたように、コロナ禍で遠方の難関校の受験を控えていた層が、再び広域から難関校を目指すようになったことが影響しているでしょう。また、トップ校の開成、上位校の海城、早稲田などは校舎を新しくしていますので、「新校舎人気」もあると考えられます。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
71 私立 開成 2023年度 2/1 1 300 1,050 1,193 416 419 2.52 2.85
70 私立 聖光学院 第1回 2/2 1 175 620 711 218 219 2.84 3.25
67 私立 栄光学園 2023年度 2/2 1 180 685 760 255 259 2.69 2.93

男子校も二極化が進み偏差値50以下の中下位層が受験者増

2023年度は男子校も上位校だけでなく偏差値40から50前後の中下位校の受験者数の増加という二極化が進みました。この中下位の偏差値帯の中で特に目立ったのが日本学園です。2026年から明治大学の系列校となって共学化し、明治大学付属世田谷に名称を変更することが決まっています。2029年度からは卒業生の7割が推薦入試で明治大学に進学できるということで、大変な人気となりました。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
48 私立 日本学園 第1回 2/1 1 70 43 388 26 83 1.65 4.67

さらに、これまでは公立中に進学していてもともと中学受験を考えていなかった層の、私学受験への参入によって偏差値30〜40台の学校も受験者数を増やしています。たとえば、足立学園や京華といったところが、そうした新規層の受け皿となることで、受験者数を伸ばしました。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
36 私立 足立学園 一般第1回(志) 2/1 1 50 87 133 81 124 1.07 1.07
44 私立 京華 第1回特別選抜午後 2/1 1 1 30 221 236 48 76 4.60 3.11

付属校、系属校では立教系が人気に

男子校の付属校、系属校についても、受験者数はやや減少もしくは微減といった人気の高止まり状態となっています。例外といえるのは、立教系の学校です。他の付属校、系属校が受験者数を減らす中で、立教池袋は受験者数を伸ばしています。これは立教大学が学部の新設など社会にアピールできている点も影響しているのかもしれません。

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学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
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男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
56 私立 立教池袋 一般第1回 2/2 1 50 250 301 93 96 2.69 3.14

まとめ & 実践 TIPS

2023年度の東京都と神奈川県の私立中学入試では男子校が最も受験者数を伸ばし、前年度より9.6ポイント増で約900名の増加となりました。偏差値帯別では、偏差値60〜65の上位校が最も受験者数を増やし、偏差値65以上の最難関校も2023年度は軒並み受験者数を伸ばしています。同時に、偏差値40から50前後の中下位校、偏差値30〜40台の学校も受験者数を増やしました。付属校、系属校は多くの学校が人気の高止まりとなる中、立教系の学校が受験者数を伸ばしました。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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