古文・漢文のニガテはこれで解消! 高校入試を見据えた中学古典の学習法
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秋以降、国語の授業では古文や漢文・漢詩などの古典作品が扱われるようになり、慣れない言い回しや現代文とは異なる文章展開に、古典への苦手意識を持たれるお子さまも多くいらっしゃることかと思います。
また、中学3年生のお子さまですと、入試過去問等で教科書以外の初見の古文や漢文読解に初めて取り組み、苦戦されているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、高校入試に向けた古文や漢文の学習というのは、いくつかのポイントを押さえればそれほど難しいものではありません。そこで、今回は高校入試を見据えた中学古典の学習法についてお伝えします。
高校入試の古典対策で押さえるべき基礎知識は2つ!
古文・漢文の学習においてまず大切なのは、基礎知識の定着です。
とはいえ、高校入試の古文・漢文では現代語訳や丁寧な語注が与えられている場合も多く、難しい古語の意味や文法がわからないと解けないような問題は基本的に出題されないため、古語や古典文法を必死に暗記する必要はありません。
では、高校入試に向けて必ず押さえておきたい基礎知識とはなんでしょうか。
古文では歴史的仮名遣い、漢文では訓読・返り点のルールです。
これらが身についていないと知識問題だけでなく内容理解にも影響しますので、しっかりと定着させておきましょう。
- ・難しい古語や古典文法の暗記は必要ない
- ・古文では歴史的仮名遣いを押さえよう
- ・漢文では訓読・返り点のルールを理解しよう
歴史的仮名遣いなどのルールは具体例とセットで理解する
古文の歴史的仮名遣いを覚える際に、ルールだけを一生懸命丸暗記しようとするお子さまも多いのですが、それでは実際の文章中で出題されたときになかなか使いこなすことができません。
例えば、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すルールの中に
「『エ段の音+う(ふ)』→『イ段の音+ょう』に直す」
というものがありますが、古文が苦手なお子さまは「エ段の音」「イ段の音」とだけ言われてもピンとこず、実際にどのように変化するのかを理解できないことが多いのです。
しかし、「『てふ』→『ちょう(蝶)』」などの具体例と一緒に覚えておけば忘れにくくなります。
また、漢文の訓読・返り点の問題でも、ルールだけを覚えるよりも教科書に出てくる実際の文章で書き下す練習や返り点をつける練習をするほうが、定着が早くなります。
- ・実際の単語や文章とセットでルールを理解する
古文・漢文の読解では「主語の把握」がポイント
古文や漢文の読解が苦手というお子さまの中には、文章中にわからない言葉が出てくるたびに立ち止まってしまい、全体の内容がつかめなくなってしまうかたも多いようですが、入試の古典読解では書かれている内容をまんべんなく理解する必要はありません。
わからない言葉が多少あったとしても、文章の要点がとらえられていれば、問題を解くことができます。
古典の文章読解で重要なポイントは「主語の把握」です。古典の文章が読みづらい原因として、主語が分かりにくいという点が挙げられます。人物名が省略されたり、途中で言い換えられたりすることも多く、また、主語自体が明示されないこともあるので、なんとなく読んでいるだけでは話の筋がとらえづらいのです。
そこでおすすめなのが、登場人物にしるしをつけながら読み進めることです。
人物名が出てきたら丸で囲んだり、人物ごとに記号を付け分けたりなどして区別しながら読み進めましょう。
主語が省略されているところではそれまでに出てきた人物のうちの誰の動作なのか、動作の内容や発言内容を参考にしてとらえ、あとからたどれるように書き込んでおくと、迷子になりづらいのでおすすめです。
- ・わからない言葉があっても大枠がつかめていれば問題ない
- ・「主語」を意識して読む
- ・登場人物にしるしをつけたり書き込みをしたりしながら読む
まとめ & 実践 TIPS
高校入試に向けた古典の学習においては、具体例とともに基礎知識のルールを理解することと、主語を押さえて文章の要点をとらえることを意識して取り組みましょう。
入試で出題される古文や漢文は文章の展開や内容もシンプルなものが多く、慣れてしまえば現代文よりも得点源にしやすい分野でもあります。
中学3年生のお子さまで、まだ入試の過去問を見たことがないというかたは、ぜひ一度入試の過去問を見て、自分の県ではどのような形式で出題されているのかを確認してみてください。
また、中学1・2年生のお子さまは、まずは教科書の古典作品をこの観点を意識して読んでみましょう。慣れてきたら入試の過去問などで初見の古典の読解に挑戦してみるのもおすすめです。
株式会社プランディット 国語課 奥村(おくむら)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。
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