さよなら受験生活、なう。 [大学受験]
合格者受験発表が掲載されているサイトを開いた瞬間に、「あ、落ちた。」という声が聞こえました。
第一志望だった、国公立大学は不合格。
わー、これは大変だ、どういった言葉をかければいいのか。私大はいくつか合格していたから心配いらないね、という話はしていたものの、ショックはショックです。
昨夜、私は布団の中で何度も寝返りを打ちながら、発表後のシミュレーションをしておりましたが、それはすべて「合格が前提」だったのでした。
「よかったね。」「おめでとう!」「通学はちょっと遠くなるけど大丈夫だよね!」
そんな言葉ならすらすらと思い浮かぶのに、胸が詰まって他の言葉は出てきません。
あたふたする私を尻目に、「よし、これで進路が決まった。」とすがすがしくきっぱりと言い放ち、「いい1年間であったことだよ。」という言葉を最後にムスメの浪人生活は終わりました。
傍目(はため)に見ていてもつらそうな1年でした。
真っ青な顔で起きてくる朝も、すすり泣く声が聞こえる夜中もありました。
それでもなんとか踏ん張って、苦手なセンター試験をクリアし、二次試験もそこそこの手ごたえを感じ、ああこれは合格フラグだな、だってあれだけ必死で取り組んだのだから! と根拠のない自信を持っていた私。
(そう思っていないとくじけてしまいそうな精神状態だったというのもある。)
対するムスメは、「合格できればうれしいし、多少の自信はないこともないけど」……。
「結果はもう、本当に、どっちでも。あれ以上はがんばれなかったし後悔はないよ。」と落ち着いたものでした。
* * *
先日、ムスメが通った予備校のそばを通った時、不安そうに校舎をのぞき込む親子の姿を見ました。
あれは去年の私とムスメだ、と思ったらなんだかぐっときてしまい、ひと声かけようかと思ってやっぱりやめておきました。(危ない危ない、あやしい人になるところだった。)
不本意な受験結果だったかもしれないけど、それが切ない1年の始まりだったとしても、ちゃんと終わりが来ます。
そしてそのあと、必ず新しいことが始まります。
だから大丈夫。本当に大丈夫です。
高校生活が終わったら子育てもひと段落かなあと思っていたところに、降って沸いたような浪人生活。
つらかったけれども、この毎日がムスメをずいぶん大人にしてくれたと思います。
そんなわけで、ムスメの浪人生活は終わり、私の子育ても終わったのでした。
いい1年間であったことだよ、本当に。
* * *
高校受験から始まった受験生活も、これにておしまい、ということになりました。
読者の皆様からの温かいお言葉を頂戴し、母娘ともずいぶん励まされました。
本当にありがとうございました。
いつかまたどこかでお目にかかれたらと思います。
(筆者:おぐらなおみ)