高校受験のプロに聞く! 高校受験、進学するなら公立?私立?
「進学指導重点校」など大学進学に力を入れる公立高校に志願者が集まる一方で、特進コースを設けるなど難関大学への進学指導を充実させる私立高校が増えている。私立と公立、どちらを選ぶべきか……。ベネッセ教育情報サイトでは、高校受験のプロである安田教育研究所の安田理氏に、疑問をぶつけた。
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公立と私立、どちらがよいかは志望校とご本人の適性次第なので、一概にどちらと言うことはできません。ただ、公立は本人の自主性に任せる部分が多く、私立の特進コースは、良くも悪くも結果を出すことに熱心で、面倒見がよい傾向はあるかと思います。
私立特進コースの入試は、特待生制度とセットになっているケースも多く、一般入試や推薦入試で合格したあと、特待生選抜にチャレンジできるところもあります。その場合、特待生選抜で不合格になっても、一般入試や推薦入試での合格は取り消されませんから、チャレンジしてみるのはよい選択です。ただし、特待生制度を取らないと経済的に通わせられないというのであれば、お子さまに大きなプレッシャーがかかってしまうため、あまりおすすめできません。特待生選抜に合格して初年度の学費が全額免除になっても、成績が下がると翌年の特待が取り消されることもありますので、受験前によく確認しておきましょう。
大学合格実績に重点を置いた学校は、公立でも私立でも、カリキュラムがハードなことが多いのは事実です。学校によりますが、私立の特進コースでは、部活が制限されていたり、放課後や長期休暇中の講習が義務付けられていたりする場合もあります。また、時間割が一般コースとは別だったり、教室が離れていたりして、学校全体としての一体感に欠けると感じるお子さまも、中にはいるようです。時間割や補習・講習の量については、事前にきちんと確認しておきましょう。
熱心な指導のもと、競い合いながら学ぶ環境で伸びるタイプか、穏やかな空気の中でのびのびと過ごすほうが向いているかは、ご本人の性格によります。どちらにせよ、難関大学を目指すなら、それなりの覚悟が必要なことは間違いありません。
出典:重要なのは「形」よりも「質」[高校受験] ‐ベネッセ教育情報サイト