成績伸び悩みの高2の長女 「ガツンと効く薬などなし」とマンガ家の母
高校2年生の長女を持つ、マンガ家のおぐらなおみ氏。受験態勢に入りつつも成績が伸び悩み、不安に押しつぶされそうな娘に、かけてやる言葉が見つからない。悶々(もんもん)と悩む娘を見守る母心を聞いた。
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あっという間に年末でございますね。そして毎日とても寒いですね……。
ちょっと前までのムスメの口癖は、「来年はできなくなるから今やっとく」でした。
もちろん「お楽しみ分野」のことでございます。
友だちと遊んだり、買い物をしたり、部活に精を出したり、そんなことです。
部活については、純粋な「遊び」ではないにしろ、引退を前にして思うところあったようで、
「まあ一生懸命に取り組んでおくか、後悔のないように」というところでしょうか。
青春! 青い春!
しかし、このところ、ふと不安そうにしている時があります。
楽しく遊びに行ったはずなのに、帰ってきてからの表情が少々暗い。
「今しかできないはずのこと」をそれほど楽しめなくなっているように思えます。
簡単に言ってしまえば「こんなことをしていて大丈夫なのかしら、私ったら……。」みたいな。
うちのムスメは私によく似て、気分転換が下手なタイプです。
不安や悩みややるべきことが溜まってくると、何をしていても楽しくないのです。
それなら問題を先送りにせず、さっさと片付けてしまえばいいものを、それはちょっと難しい。
というか、やりたくないし逃げてしまいたい。
結果的に悶悶とする時間が長引くだけなのです。
ムスメ、成績が伸び悩んでおります。
勉強方法についても試行錯誤しているようですが、かんばしくない様子です。
そういう状態の時に「基礎をきちんと」とか「迷うな、コツコツやれ」という言葉って
意外と心に沁(し)みていかないのですね。
ムスメは、この状態にガツンと効く薬がどこかにあるはずである、と思い込んでいるふしがあります。
先生や友だちに相談しているようですが、そんな特効薬はなかなか見つかりませんよ、当然。
ワタクシもクリエーターのはしくれ、人様の心をぎゅっとつかんだり、動かしたり、
そんなことを目標にしている人間でありますゆえ、我がムスメにもそういった言葉を
かけてやりたいのはやまやまですが、うまい言葉が出てこない。
これは親の無力さというよりも、ムスメ自身の気持ちがかわらないと、
どんな言葉も響かないのではないかしら、とも思うわけです。
結局、単純に「無心に勉強したら?」ということが一番の近道なんじゃないかな?
聞きたくない気持ちもわからなくはないけれど。
ムスメの気持ちがうまく切り替えられるように見守るばかりでございます。