変わる神奈川県の高校入試制度 専門家が対策を指南
高校入試にあたり、過去にはア・テスト、複数志願制、推薦入試、前期・後期選抜など独自の制度を導入してきた神奈川県。2013(平成25)年春より、現行制度の前期・後期選抜を廃止し、入試の一本化に踏み切った。これにより、受験生の志望校選択の動きにも変化が表れているという。20年以上受験指導の実績を持ち、高校受験のエキスパートでもある、ベネッセコーポレーション 進研ゼミ高校受験総合情報センター センター長の浅野剛氏に、今後の動向と受験対策について話を伺った。
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共通選抜では「二段階の選考」が行われます。調査書、学力検査、面接、高校によって実施される特色検査の得点をもとに、まず募集人員の90%までの選考(第1次選考)を行います。次に調査書の評定を用いずに、残り10%の選考(第2次選考)を行うという選考方法です。
新制度において、合否の決め手となるのが調査書・学力検査・面接等にかけられる係数(比率、以下「比率」と表記)です。調査書の評定、学力検査の点数、面接、特色検査の結果は、それぞれ100点満点に換算され、この点数に、高校ごとに決めた比率を掛けて選考が行われます。比率を含めた全公立高校の選考基準は、例年6月に発表されます。
調査書と学力検査の比率は、18校のうち12校が「3:5」を採用しており、ここを基準にすると、「2:6」の比率を採用している高校は入試重視、「4:4」を採用している高校は内申重視という見方ができます。入試重視の比率を採用する高校を受験するなら、入試得点が高い方が有利になりますし、「4:4」の高校を受験するなら、内申点の高い方が有利になるということです。
比率はとても大きな意味を持っているので、自分が本当に行きたい高校の選考の特色を知ったうえで対策を立てることが重要です。自分の長所を生かせるよう、受験する年度における志望校の選考基準をしっかり確認して、受験勉強に取り組みましょう。