文章の記述が苦手な小6男子、中学受験には「まずまずの答案を作ること」
文章の記述が苦手な中学受験目前の小6男子。言葉の言い換えができないのかもしれない、という保護者からの相談に、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスする。
***
【質問】
文章の記述が苦手です。読んだ文章から抜き出して書くことはできますが、自由に書くことができないようです。言葉の言い換えができないのかもしれません。(小6男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
私は記述問題では「言葉の言い換え」を極力避けるよう、子どもたちに指導しています。うまく言い換えたと思っても、意味が違ってしまうことも少なくないのです。中学受験で、「言葉の言い換え」が必要な記述問題は、実はそれほど多くありません。
物語文の記述問題を考えてみましょう。物語文では、登場人物の気持ちも問われます。問題文の中には心情表現という形で書かれている場合が多いので、そのまま文を写すだけでは答案はつくれません。心情表現とは“決め事”なので、心情表現の意味を知っているか知らないかの「知識」の問題と考えてよいでしょう。
また、説明文の問いは、「なぜ問題(理由を問う問題)」や「こと問題(内容を問う問題)」がほとんどです。いずれも問題文の内容の活用で、“文章のある部分をそのまま写す”ことで十分に答案をつくれます。満点ではないかもしれませんが、最初はある程度の答案で満足したほうが結果的には上達が早いと思います。ただし、問題文の文章をそのまま使うと日本語としておかしくなることがあるので、言葉の順番や「て・に・を・は」には十分注意しましょう。
記述問題といえども、本格的に「言葉の言い換え」をすることなく答案を作成できるのです。本文の内容を活用し、最初はまずまずの答案を作成することをめざしましょう。