四大模試の志願者数で2013年中学入試動向を予測[中学受験]
模擬試験の志願者数前年対比で、中学入試の動向を予測する方法がある。だだし、1つの模試だけでは、志願者数が増減することがあり、学校にも偏りが出るので、今回は、SAPIX、日能研、首都圏、四谷大塚の四大模試で志願者数を調査した。
志願者数は、各学校の最も主要な入試を1つ選び、その志願者数を集計したものだ。今回の集計は2月1日入試が主要となる東京都と神奈川県だけで行ったため、受験者数に近い数になる。
表は、付属校・進学校・半付属校の2011年・2012年の四大模試志願者数前年対比と、2012年の受験者数前年対比から、2013年の受験者数前年対比を予測したものだ。受験者数は、志願者数と同様に各学校の最も主要な入試を1つ選び、その受験者数を集計した。2012年受験者数前年比とその4か月前に行われた2011年10月の四大模試志願者数前年対比で付属校・進学校・半付属校を比べてみよう。受験者数と志願者数の違いはあるが前年対比は同じではないかという期待があった。
2012年受験者数前年比は、それぞれ90.3%・96.6%・95.0%で、2011年10月の四大模試志願者数前年対比は、それぞれ91.2%・98.5%・91.1%であった。半付属校だけは母数が少ないため、4%ほどの誤差はあったが、付属校と進学校は1~2%の誤差で、全体では1%の誤差となり、十分許容できる範囲と言っても良いだろう。
以上から、四大模試志願者数前年対比と翌年の受験者数前年比がほぼ一致していると考え、2012年10月の四大模試志願者数前年対比から2013年の受験者数を予測してみた。
前にも述べたように東京都と神奈川県だけのデータなので、首都圏全体の予想ではないが、東京都と神奈川県は受験生の傾向が似ていることもあり、逆に精度は高くなるのではないだろうか。
また、2012年受験者数の実績と本年の四大模試志願者数前年対比からは、13年/12年受験者数前年比96.4%を予測した。昨年の前年対比95.8%よりは減少率は少ないものの、昨年よりもさらに受験者数は0.1%の減少となる。しかし、2012年と2013年では付属校・進学校・半付属校の減少傾向は変わっていないことがわかる。2013年の付属校は10%近くの減少となり、隔年現象は起こりそうもない。
2012年4月に「2013年からは、受験者数の減少が止まり、横ばい状態になるのではないか」という予測を行った。しかし、その後の不況の悪化で、全体として、2013年入試では受験者数が減少する傾向は変わらないことが、今回行われた四大模試の志願者数から予想される。付属校の受験者数が2年続けて10%も激減することが象徴的で、受験者数の減少は、不況の影響が大きな要因といえる。もちろん、この予測は2012年10月時点の予測で、その後の経済や政治の変化で変わっていく可能性もある。
四大模試の志願者前年対比と2013年入試の受験者数前年対比予測
※合計は、付属校、進学校、半付属校の平均値
※小数点第2位で四捨五入した数値を使用しているため、表内の合計に誤差が生じている場合もある。