高校入試の志願者倍率と入試問題には「隔年現象」がある!
この1、2年経済的な理由から公立高校しか受験しない、というケースも増えている。難関校が第一志望の場合、併願先の選び方などで頭を悩ませる保護者も多いだろう。そういった悩みに、高校入試における傾向と注意点を、安田教育研究所の安田理氏が教えてくれた。
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毎年入試の状況を追いかけていると、志望倍率と入試問題に顕著な傾向があることがわかります。それは「隔年現象」です。
前年度に志望者が多く、倍率が高かった高校は、翌年は敬遠され、志望者数と倍率が下がります。ですから、受験生は前年度倍率が高かったことを心配せず、今年度は狙い目になると考えるとよいでしょう。ただし、毎年人気があり、常に高倍率という高校は、毎年狭き門であることに変わりありません。
次は、入試問題の「隔年現象」です。公立高校の入試問題は、平均点が60%程度になることを目標に作問されています。前年度平均点が50%を切った教科は翌年、問題が易しくなりますし、逆に70%近くになった教科は難しくなります。この原則を考えると、前年度易しかった教科は少し手応えのある問題を練習しておいたほうがよい、ということになります。
また、学校独自問題(自校作成問題)校については、概して難易度の高い高校が多いです。合格最低点が低いのは入試問題が難しいからで、決して入学しやすいというわけではありません。基本問題はよくできるが、発展・応用問題は苦手という場合は、受験を検討する必要があるでしょう。学校独自問題(自校作成問題)校に挑戦するよりは、共通問題で入試を行っている学校の中から難易度の高い高校を選んだほうが、合格の可能性が高くなるといえます。
大切なことはいうまでもなく、本人にとってふさわしい学校であるかどうかです。そのことを忘れずに受験校を決めてください。