中学受験社会科で問われる「○周年問題」 今年は何の何周年か?

東日本大震災から1年ほど経った時期に行われた2012年度の中学入試の社会科の問題は、例年と比べると非常に特徴的なものとなった。文教大学専任講師の早川明夫氏は、当年度の入試で求められた視点について、「東日本大震災を契機に、今後の日本社会のありようを展望し、特に東北地方や沖縄から日本を見直す視点」とした上で、次のように解説する。

 

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「東北地方は、日本の食糧・エネルギーの供給基地になっており、沖縄には米軍基地が集中しています。『なぜ、東京電力の原子力発電所が福島にあるのか』『なぜ日本の国土のわずか0.6%の沖縄に日本にある米軍基地の約74%が集中しているのか』。これらについて私たちは考えなくてはなりません。『日本の国土に対する理解、自然災害に対する再認識』『衣食住(生活)の見直し』『歴史から学ぶ』などの観点から出題されています。

 

また、東日本大震災のため、東北にあった自動車の部品工場の生産がストップしてしまいました。これにより日本の自動車メーカーばかりでなく、世界中の自動車工場に影響が出ました。このように、東北が世界につながっていること(=グローバル化)を小学生でも考えられることが求められています」

 

また、毎年多くの確率で出題されるのが「周年問題」だ。つまり、その年が「何の何周年か」という話題にかけて、出題される問題だ。

 

2012年度は「150年前:日独交流」「100年前:平塚らいてうの『青鞜』創刊、関税自主権の回復、辛亥革命」「80年前:柳条湖事件が発端になった満州事変」「70年前:アジア太平洋戦争始まる」「60年前:サンフランシスコ平和条約、日米安全保障条約の調印」などのテーマで出題されたとのこと。

 

2013年度の周年問題について早川氏は、「『沖縄復帰40年』『日中国交回復40年』『国際連合人間環境会議(1972年、ストックホルムで開催から)40年』が要注意です」と話し、これらの内容についてよく勉強しておくことが重要だとしている。

 

出典:全般的な出題傾向 <社会> -ベネッセ教育情報サイト

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