1週1時間増加で、変わる授業内容 今年は中学校が大きく変わる年[高校受験]
■多くの学校は「インプット」に注力
前学習指導要領で約30%削減された学習内容のうち、25%ほどが復活すると聞き、大幅に授業時間数が増えると思っている保護者のかたが大勢いらっしゃるようです。
実際、3年間の総授業時数は現行の2940時間から3045時間と、105時間増えますが、各学年あたりの年間授業時数はその3分の1ですから、980時間から1015時間と、35時間の増加です。
すなわち、1学年あたりの授業週数35週で割ると、1週当たりの授業時間は、実際には1時間ずつしか増えません。
しかし、教科によって増加する単位数は異なるものの、国語は3年間で35単位増、また英語に至っては105単位も増えます(50分の授業を年間35週受けて1単位です)。ただし数学・理科の単位増加については、平成21年度から既に先行実施されています。
どの教科がどの学年で増えるかを表にすると、以下のようになります。
教科 | 増える学年 | 増える単位数 |
---|---|---|
国語 | 中2 | 35単位 |
社会 | 中3 | 55単位 |
数学 | 中1と中3 | 70単位 |
理科 | 中2と中3 | 95単位 |
英語 | 3学年とも | 105単位 |
社会や理科が35週で割りきれない単位数になっているのは、社会や理科では1年間通して学ばない時間もあるからです。
合計でこんなに単位数が増えているのに、1週あたりの授業時間は1時間増加しただけですんでいるのは、「総合的な学習の時間」や「選択教科の時間」が大幅に減っているためです。学校によって違いますが、「総合的な学習の時間」は20単位~145単位、「選択教科の時間」も155単位~280単位減っています。ですから、前々回の学習指導要領の時代にかなり戻ったということがいえます。
1週当たり1時間なので、ご家庭ではこれまでと物理的な変化はほとんど感じないかもしれません。ですが、学校の授業内容は大きく変わるので、保護者のかたも十分注意してお子さまをフォローしてあげていただきたいものです。