冬休みの学習は入試を念頭に置く[中学受験合格言コラム]

夏休みもそうだったが、冬休みも計画的に過ごすべきだろう。しかし、計画の目的が違うと思う。夏休みは40日間と長期なので、期間を区切って計画的に学習をしなければ、どうしてもだらけてしまい、予定していた学習が終わらない。
しかし、冬休みは入試が迫っていることと期間が短いことで、だらけるリスクは少ないが、期間が短いのにも関わらず学習しなければならないことが多いので、計画的に学習しなければ間に合わない。「冬休みまでに、やり残したことは、もうない」というような生徒はほとんどいないのだ。つまり、短い冬休みなのに、積み残した学習は、よほど一日をうまく使わなければこなしきれない量となり、一日を計画的に過ごす必要があるのだ。

つまり、夏休みには全体の期間で何をするかを、冬休みには一日の中で何をするかを計画する違いがある。もちろん、夏休みでも一日の計画はするが、計画のポイントは学習内容よりも、起床時刻や消灯時刻などの時間の計画をきちんと立てたほうが良い。早寝早起きをすることで、コンスタントな生活をして体調を維持することで長期間学習し続けられるようにすることを重視したほうがうまくいく。時間単位で学習する内容を計画してもなかなか計画通りにいかないのは、まだ入試が先のことで、緊迫感が薄いからなのかもしれない。
冬休みでも早寝早起きは、コンスタントに学習するために必要なことだが、それだけではない。冬休みは正月が過ぎれば、入試に突入するわけで、そのための健康維持は最も重視すべきことだ。

夏休みでも同じように体調管理は必要だが、冬休みは入試に向けて必要なのだ。入試が目の前に迫ってくれば、子どももストレスを感じることになり、睡眠不足になることもあるだろう。また、インフルエンザが流行する時期なので、風邪を引かせないように体調管理をする必要がある。
これまで夜遅くまで受験勉強に取り組んできて、夜型の学習が習慣となっているお子さんも多いと思う。まだやり残している勉強があるのに、生活のリズムを一変させることに不安を感じるのはもっともだが、いつから入試に向けて早寝早起きに変更するのか? 入試直前では遅すぎる。最後までがんばることは大事だが、無理をして体調を崩せば、がんばること自体ができなくなる。

1月校を受験するのならば、正月からは、試験開始時刻に頭脳が働きやすい3時間前に起きて、その時刻に過去問演習をすることにすれば、早起きをする目的にもなる。当然、早起きをするのであれば、早寝をしなければならない。これまで続けてきた習慣を変えることはなかなか難しい。入試直前まで早寝早起きに切り替えなかったため、入試当日は寝不足で、満足に受験ができなかったとしたら、後悔してもし切れない。正月を境に早寝早起きの生活を始めるのも明確な区切りとなって切り替えやすいのではないか。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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