第7回 受検直前の10日間に何ができるのか
適性検査受検まで1週間あまりというこの時期に親が心がけることは、なによりも子どもの体調管理です。早寝早起きを心がけて、朝の9時ごろには頭が働くようにしましょう。また、帰宅したら手洗いとうがいを励行し、風邪をひかないようにしましょう。
直前10日間でできること
さて、これからの10日間に行える適性検査の有効な対策の例をご紹介します。ポイントは、問題文の分析に慣れておくこと、あわせて読み取りの注意力を高めておきましょう。
(1) 志望校の過去問のおさらい
ここでは全問題を解き直すことはありません。問いの文を「細切れ読み」(☆)をして、解答すべき条件を確かに拾い上げる練習です。このとき親はテストをしてはいけません。ましてや怒ることも必要ありません。親子で一緒に問いの文の分析をやり尽くすことを心がけます。自分の答えの構想を立てたうえで、模範解答を読んでみましょう。問いに対応する答えをどの程度表現すればよいのか確認していく作業をするのです。
☆「細切れ読み」については、下の若泉敏氏プロフィールでご紹介しております『公立中高一貫校合格への最短ルール』をご参照ください。
(2) 志望校以外の学校の適性検査問題を使用して
- 志望校の過去問に類似する他の学校の問題を選んで、問題文の「細切れ読み」と条件の摘出をして書くべき内容を構想します。模範解答も読んで確認しましょう。
- 産業とエネルギー、自然と環境、福祉、マナー、日本の伝統文化、日本と世界の国々のかかわりなどに関する問題は、本文全体をよく読んで知識を確認することです。
- 作文は、志望校と同じ傾向や同じ出題形式の問題を選んで、書くべき要素を箇条書きにしてみます。余裕があれば、実際に作文を書いてみてもいいでしょう。
- 他の地方の特性に関する問題には手をつける必要はありません。
検査前日と当日に注意すること
前日は受検票や筆記用具、その他持ち物の確認をして、遅くとも10時には床に就くようにしましょう。持ち物の確認は本人にさせたうえで、親も必ず再確認しておきます。
当日の朝は、計算を3題ほどやって頭の回転をよくしておくといいです。検査はたいがい8時半集合、9時開始ですから、時間の余裕を持って家を出ましょう。この日ばかりは保護者が一緒に検査会場まで行かなければいけません。自立した行動が大事だからといって子どもだけで登校させるのはもってのほかです。事故や事件がおきるかもしれません。また、2月の初旬は東京では雪が降って交通機関がマヒすることがあります。不測の事態にそなえて第2、第3のルートも考えておくとよいでしょう。家を出るとき、または試検会場に入るときに、「これまで培った力を全部出しきること、それでいいのだよ」と安心させて見送りましょう。【人事を尽くして天命を待つ】の心境で合格発表の日を待ちましょう。