英語で「伝えたい」という気持ちを引き出す 使える英語を身に付ける達人の授業

英語で「伝えたい」という気持ちを引き出す 使える英語を身に付ける達人の授業NHK Eテレの教育番組を担当する、NHK制作局チーフ・プロデューサーの桑山裕明氏。番組制作のためにさまざまな授業を見学する中で、「こんな先生に教えてほしい」と思う出会いがあるという。今回は、東京都のAO先生による中学での英語の授業を紹介してもらった。

 

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AO先生は、幼稚園から大学まで、すべての学校で英語を教えた経験があり、その目標は、【聞けて、読めて、書けて、話せる】英語。つまり「使える英語」を身に付けさせることです。

 

授業は、先生が取り出した1枚のカンボジアの少女の写真を題材に進んでいきます。黒板に少女の写真が貼られ、名前が、バン・サッカナさんということだけが明かされます。そして、彼女の住むカンボジアという国について紹介されます。

 

次に、先生は、バン・サッカナさんについて質問を始めました。「何歳だと思う?」「何が好きかな?」「彼女は何をしているの?」「彼女の夢は?」「お父さんの名前は?」など。子どもたちは……「えっ、先生どうしちゃったの? わかるわけないじゃん!」という感じです。これは、「どういうこと?」と心を動かすためのテクニックです。「人の心を動かす」ことは、教えることの第一歩です。

 

そして、すかさず先生は、バン・サッカナさんのことが書かれた英文を配ります。文章の数は30。そして先生は、「意味がわかった文章には線を引いて!」と指示を出します。線を引く部分が増えると共に、バン・サッカナさんのことがわかっていきます。

 

さらに、先生は、「みんなが読んだのは、バン・サッカナさん自身が書いたモノ」と種明かしをします。そして、彼女は、英語を学び始め、少し、読んだり話したりできる状況だと伝えました。さらに、「じゃあ、今度はみんなが彼女に英語で手紙を書かない?」と促しました。
生徒たちは、すぐに「やる!」と言い出します。みんな、バン・サッカナさんの文章をちょっと変えるだけで、自分を紹介できる文章になることがわかったからです。
「伝えたい!」という気持ちから、みんな辞書を自然と引き出しました。
授業の最後は、書いた手紙をみんなの前で発表です。

 

AO先生の言葉で印象に残ったのは……
「自分たちがわかる言葉で書かれているモノを読んで、わかる。そんな経験をすると、話すチャンスが生まれてくる」
先生の仕事は、機会を与えて待つものだな……と改めて思いました。

 

出典:一枚の写真から「英語を使いたくなる気持ち」を引き出す授業 -ベネッセ教育情報サイト

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