読書感想文、つまずきポイントを見極めよう! 中高生の<本選び>

長いようであっという間に終わってしまう夏休み。終盤に焦って宿題に取り掛かることも多いでしょう。子どもには計画的に過ごして、最後まで楽しい夏休みにしてもらいたいものです。そこで、中高生の夏休みの宿題のうち、苦労することの多い読書感想文について見ていきましょう。

やはり苦労する読書感想文 2割強が「いちばんてこずる」

中高生がいちばんてこずっている夏休みの宿題は、教科のドリル・プリントという回答が約3割で、読書感想文は2番目の2割強でした。小学生で読書感想文にてこずった子どもは約3割という結果で、割合にそれほど変化がないことから、中高生になっても読書感想文は悩みのタネであり続けているようです。

本選び 好きな本を選ぶ派と、課題図書から選ぶ派に二分

読書感想文は、本を選ぶ→本を読む→感想文を書くという三つの段階に大きく分けることができます。
まず、本選びについて見ていきましょう。
感想文を書くための本は誰が決めたかについて、「お子さま一人で」選んだという回答が7割を超えました。保護者が関わることはあまりないようです。本の選び方については、「読書感想文におすすめの本ではなく、お子さまが好きな本」が37.0%、「学校で指定された課題図書の中」が25.2%と高く、主に、自分が好きな本にする派と、課題図書から選ぶ派に分かれるようです。

なかには、「子どもに任せると、感想を書きづらい本を選んでくる」という声もありました。好き嫌いを優先して選ぶと、感想文にはあまり向かない本を選ぶ可能性があることに、注意したいところです。一方、感想が書けるかどうかを考えすぎて、なかなか決まらないこともあるようです。

小説を選ぶ子どもが4割強 決め手は書きやすさ?

実際には、どんな本が選ばれているのでしょうか。伺ってみると、小説が断トツでした。物語性のあるもののほうが、感情移入しやすく、感想文を書きやすいのかもしれません。具体的に選ばれたものとしては、芥川龍之介の『蜘蛛(くも)の糸』『羅生門』、夏目漱石の『こころ』『坊ちゃん』、太宰治の『走れメロス』『人間失格』、現代のものでは東野圭吾の『手紙』、外国のものではJ.K.ローリングの『ハリー・ポッターシリーズ』などの名作から、芥川賞を受賞して話題となった又吉直樹『火花』や、本屋大賞受賞作品なども選ばれていました。

読書感想文で最初につまずきがちな本選びでは、「感想を書きやすいかどうか」が大事なポイントとなるようです。いくつかの本が候補に挙がったら、まずはざっと目をとおし、感想文が書けるかどうかを判断してからじっくり読むようにするのも、一つの方法かもしれませんね。

【アンケートについて】
■調査地域:全国
■調査対象:中学生・高校生をお持ちの保護者のかた
■調査期間:2015年8月26日~2015年9日1日
■調査手法:ベネッセ 教育情報サイト オンラインアンケート
■有効回答数:431名
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合があります。

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