読書感想文の宿題に○割の保護者が関与!? イマドキの読書事情
子どもの活字離れが進んでいますが、読書は子どもの想像力を豊かにしたり、読解力を高めるために必要なこと。読解力は国語だけでなく、算数や理科、社会などほかの教科にも必要な大事な力なのです。できれば高めてあげたいもの。活字を読む楽しさを教えてあげるために、保護者のかたは子どもたちにどんな本を読んでもらいたいと思っているのでしょうか。小・中学生のお子さまがいる保護者にアンケートで調査しました。
伝記・歴史物がトップだが、本人が興味を持った本ならいいという意見も
子どもに読んで欲しい本のアンケートでは、「伝記・歴史」が20%でトップでした。歴史の勉強にもなるし、偉人たちの生き方に学べることも多そうです。
2位は、「日本文学」。太宰治や夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治などの名前や作品名が挙がっていました。そのほかに徒然草や南総里見八犬伝、二十四の瞳など、きっと保護者自身がかつて読んで感動したのであろう作品も目立ちました。自分が読んで感動した本を子どもにも味わって欲しいというのは、一つの親心の表れなのでしょうか。
読んで欲しい本の理由もうかがいました。
子どもに読んで欲しい本を選んだ理由については、「内容が面白い・感動する」「創造力が鍛えられ、感受性が豊かになる」がともに17%でした。
読書をすることで、子どもに身につけて欲しい力は、創造力や感性が豊かになることと考える保護者が多いようです。
感動したり、創造力が鍛えられるのと同時に、本を読むことで得られる力は多彩。「本人が興味を持った本ならいい」という意見もわりと多く見られました。
ちなみに、実際に子どもが読んでいる本のトップは、「図鑑・自然科学」、2位が「SFファンタジー」です。小・中学生の頃に読むと想像力が鍛えられそうですね。3位以下は、「趣味・実用」、「伝記・歴史」「推理・ミステリー」。
フリー回答では「読んでいる本」「読んで欲しい本」で「ハリー・ポッター」を挙げている保護者も多かったです。「ハリー・ポッター」に限らず、映画やドラマ、アニメ化されている作品は、子どもにもイメージしやすく読みやすいのかもしれません。読書の入門としては適しているといえるのではないでしょうか。
読書感想文の宿題に約8割の保護者が関与
ただ本を読むだけでなく、読解力を養うためには、感想文を書くとよいといわれています。本のあらすじなど、内容を反すうすることで、より理解力が高まります。さらに、自分の意見を考えてまとめるなど、試行錯誤することが、子どもの思考力を伸ばすことにつながります。
といっても、子どもだけに任せておくと、なかなか読書感想文の宿題が終わらない…というご家庭も少なくないようです。
子どもの読書感想文に保護者はどのくらい関わっているのでしょうか。
アンケートの結果では、「感想文の書き方をアドバイス」が29%ともっとも多く、次は「本選び」でした。
「感想文の書き方をアドバイス」では、子どもが何を書いたらよいかわからず、あらすじだけが書かれている場合も。そんなときは「どこが印象に残ったのかを聞き出して指摘する」、「書きあがったもののおかしいところだけを指摘する」、「最初は自分の言葉で書かせて、最終的に話し合いながらいっしょに仕上げる」という回答も。
とくに低学年のうちは、まだ感想文の書き方もおぼつかないので、少しアドバイスをしてあげると子どもにとってもわかりやすいかもしれませんね。読書感想文の上達方法は、たくさん本を読むことです。
保護者が感動した本を勧めるのは、感想を言い合うことなどでコミュニケーションにもなり、素晴らしいことです。でもまず子どもに読書の面白さを教えてあげることが大事なのかもしれません。読書について話し合い、読んで欲しい本に子どもが興味を持つように導いてあげられるとよいですね。
【アンケートについて】
■調査地域:全国
■調査対象:小・中学生のお子さまをお持ちの保護者のかた
■調査期間:2015年6月1日~2015年6月15日
■調査手法:「Yahoo!クラウドソーシング」におけるWebアンケート
■有効回答数:2,660名