高校受験と高校時代にかかるお金のキホン

義務教育の中学校までとは違い、高校では授業料、教科書代なども家庭負担です。その上、高校卒業後の進路である大学や専門学校の学費準備を本格スタートする家庭も多いはず。教育費負担が気になりますね。

でも、全国の8割の生徒は高校の授業料を支援してくれる制度の対象です。授業料が無償になったり軽減されたりするため、その分家庭負担は軽くて済みます。

ただし、支援は授業料だけ。その他の学校納付金や制服代などは支援対象外であることに注意しましょう。

この記事のポイント

高校の学費はいくらかかる?

・公立高校の場合
学費には受験料や入学金、授業料のほか、授業で必要となる個人持ちの教材や辞書、文房具、制服や体操服、修学旅行代、通学費などが含まれます。

学校や学科により異なりますが、高校生1人当たりの家庭の支出平均額は1年間で約28万円となっています。

・私立高校の場合
学費には受験料や入学金、授業料、施設設備費などの学校納付金のほか、授業で必要となる個人持ちの教材や辞書、文房具、制服や体操服、修学旅行代、通学費などが含まれます。

学校や学科により異なりますが、高校生1人当たりの家庭の支出平均額は約72万円となっており、公立高校の約2.6倍です。

学費以外の教育費は?

・塾や家庭教師など、学校教育を補助するための費用
高校生1人当たりの年間平均額は、公立高校では約14万8,000円、私立高校では約19万4,000円となっています。

塾代などの補助学習費は支払っていない人もいるため、実際に支出した人だけの平均額は公立高校約18万円、私立高校約22万4,000円です。

このうち、公立私立ともに1年間あたり90万円以上を支出した人が数パーセントいる一方で、約7割が15万円未満です。

学年別に見ると、学年が上がるにつれて支出額は増える傾向があります。
1年生では公立高校10万5,000円、私立高校約14万1,000円、2年生では公立約12万9,000円、私立約17万3,000円、3年生では公立約20万9,00円、私立約26万9,000円となっています。

・鑑賞や体験など豊かな感性を育み、心身の発達を目的とするけいこごとやスポーツ活動などの費用
高校生1人当たりの年間平均額は、公立高校で約2万9,000円、私立高校で5万7,000円ですが、支出しなかった人を除いた支出者だけの平均額は公立約4万5,000円、私立約8万円です。

なお、公立高校では9割の生徒が年額10万円未満で、私立高校では9割が20万円未満となっています。

高校授業料無償化とは

・高校生全員の授業料が無償というわけではない
「高校授業料無償化」という言葉からは高校生全員の授業料が無償になって、「ウチの子も高校への支払いがタダになる」と思ってしまいそうですが、実はそうではありません。

無償化の対象になるのは、「高等学校等就学支援金制度」の一定の基準を満たした生徒のみ。

高等学校等就学支援金制度では、保護者の所得が一定未満の場合に授業料相当額である金額を支援してくれます。

支援額は、公立高校は年11万8,800円で、私立高校は年39万6,000円の範囲で実際に家庭が負担した授業料額となります。つまり、私立高校で授業料として払った金額が40万円であれば支援額は39万6,000円、授業料30万円であれば支援額も30万円です。

保護者の所得基準は家族構成によって異なります。両親が片働きで高校生と中学生以下の4人家族の場合、私立高校上限額の39万6,000円の支援対象になるのは年収590万円未満です。

家計のやりくり、どう工夫すべき?

・これから高校に進学する中学生のお子さまがいる家庭では
子どもの教育は高等学校までと親子で完全に合意している家庭は多くないはずです。高校生の大学進学率は約5割、短大・専門学校へは2割なので、多くの家庭で子どもの教育費負担が高校以降も続きます。

まずは、高校と高校卒業以降の進学に必要な金額を見積もってみましょう。十分に用意できそうでしょうか。

すでに毎月数万円の塾代を負担していたり、子どもの成長とともに食費や通信費などがかさんだりなどで、高校時代の学費の支払いが厳しそうだったり、上級学校のための預貯金を増やせていなかったりする場合は、支出を減らすか収入を増やすようにします。

支出減:
栄養と量を減らさないように食材を工夫して食費を減らす
終身保険を子育て期間限定の定期保険に変えて保険料を減らす
通信料をプランや使い方の見直しで減らす
塾などの内容を見直して必要最低限の受講にする

収入増:
片働き→共働きへ
共働きだけれど一方が扶養の範囲内の働き方→扶養にこだわらず社会保険料等負担しても手取りが増えるくらいの働き方に変更

・お子さまが高校に進学後は
世帯収入にもよりますが、「高等学校等就学支援金制度」により、中学校時代よりも子どもの教育費が減る可能性があります。減った分がなんとなく生活費に回ってしまわないようにきちんと把握するようにしましょう。高校時代の教育費や預貯金に回して高校卒業以降に備えます。

同時に、子どもが中学生の頃と同様、支出を減らして収入を増やすことを心がけます。その上で、必要な教育費を用意できそうもない場合には、保護者が教育ローンなどの借金をする前に、子どもの力を借りるようにしましょう。

家計の為であればアルバイトを認める高校もあります。多くの場合、「学業に支障のない範囲」「高校生にふさわしい仕事内容」となります。子ども自身の学費の為ですから、親子でよく話し合い、学校の許可を得たうえでアルバイトして学費の一部を用意するという選択肢もあります。

まとめ & 実践 TIPS

高校でかかるお金と支援制度を知ることで、本当に用意すべき金額がわかって教育資金計画を立てやすくなります。子どもが中学生の今、目の前の高校進学を応援するとともに「高等学校等就学支援金制度」によって高校時代の教育費負担が減る分をその後の進学費用に回し、さらなる子どもの進学を応援していきましょう。

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf

文部科学省 2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット
https://www.mext.go.jp/content/20200117-mxt_shuugaku01-1418201_1.pdf

菅原直子

「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。ファイナンシャルプランナー、教育資金コンサルタント。子育て世帯の教育費を中心としたライフプラン相談、進学資金が不足している高校生と保護者向けの教育資金セミナーおよび親が老後破産しないためのアドバイスに注力中。「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。子どもは3人。

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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