【Q&A】「高校の授業料無償化」国の制度に上乗せして都道府県ごとに独自に支援する制度とは? 東京都・大阪府の例
- 教育費
Q 授業料以外の支援制度はありますか?
A 高校生等奨学給付金という、国の補助を受けて都道府県が実施している給付金制度があります。
授業料以外の教育費(教科書費、教材費、学用品費、通学用品費など)に充てられる制度です。利用するためには、学校またはお住いの都道府県への申し込みが必要です。
高校生等奨学給付金は返還不要の給付金です。生活保護世帯と住民税所得割が非課税の世帯が利用することができます。
受け取れる額は3万2,300円から13万8,000円の間(2020年度)です。
さらに、住民税所得割が非課税の世帯には、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、最大2万6,000円の上乗せが2021年3月頃から実施されます。
Q 都道府県独自の授業料無償化制度もあるそうですが、どのような内容なのでしょうか?
A 都道府県によっては、国の高等学校等就学支援金に上乗せする形で、私立学校に通う生徒向けに授業料を無償化する制度を用意しているところがあります。
詳細については、お住いの自治体のウェブサイトやお住いの都道府県窓口などで確認してみましょう。
Q 東京都独自の無償化制度とは、どのような内容なのでしょうか?
A 東京都には、国の就学支援金の上乗せ制度として、私立高等学校等授業料軽減助成金事業があります。
東京都内の私立高校等に通い、かつ東京都内の世帯が対象の制度です。年収の目安910万円未満の世帯が対象となっており、都内私立学校における平均授業料相当額が受け取れます。ここで言う年収はあくまで目安であり、実際は住民税をもとに決定されます。
受給額は、全日制と全日制の場合は国の就学支援金と併せて年間46万1,000円となっています。ただし、実際の授業料が上限額です。
そのほか東京都には、所得要件を超過する多子世帯※に対する助成もあり、年間5万9,400円を受け取ることができます。
※扶養する23歳未満の子が3人以上いる世帯
申し込みから受け取りまでの流れを令和2年度の例でご紹介すると、申し込みは、入学後の6月頃に配布される申込用紙で行います。審査に通ると、12月頃に助成金が直接申込者の口座に振り込まれる流れです。
Q 大阪府独自の授業料無償化制度とは、どのような内容なのでしょうか?
A 大阪府には、国の就学支援金の上乗せする形の無償化制度として、私立高等学校等授業料支援補助金(以下、授業料支援補助金)があります。
大阪府内の私立高校等に通い、かつ大阪府内の世帯で、年収の目安は800万円未満が対象となっています。ただし、年収ベースでの考え方はあくまで目安であり、実際は住民税をもとに決定されます。
全日制高校の場合の受給額は、年収目安590万円未満の世帯で、国の就学支援金と併せると年間60万円。また、年収目安800万円未満の世帯は年間39万6,000円となっています。ただし、実際の授業料が上限額です。
そのほか年収目安590万円以上910万円未満で、生徒本人を含めて2人以上の子どもを扶養する「多子世帯」には、さらに手厚い支援が受けられるようになっています。
授業料支援補助金の申し込みは、入学後に学校で行い、対象者には、秋頃に学校へ一括して振り込まれます。
出典:
・高校生等奨学給付金
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm
・東京都「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」
http://www.shigaku-tokyo.or.jp/pa_jugyoryo.html
・大阪府「私立高等学校等授業料支援補助金制度」
http://www.pref.osaka.lg.jp/shigaku/shigakumushouka/index.html
- 教育費