青山メソッドですらすら書ける毛筆上達のコツ 【第4回】すき間均等法を学ぼう/カタカナに挑戦しよう
小学3年生から書写の授業で、毛筆の学習が始まります。お子さまは毛筆を苦手と感じていませんか? 美文字王子こと、青山浩之先生に毛筆がうまくなるコツを伝授していただきます。青山先生の「青山メソッド」でコツを理解して、お子さまがきれいな文字を書けるように、手伝ってあげてください。
文字の形を整えるポイントとして、前回は、線の長さと、方向について取り上げました。今回は3つめのポイント「すき間」についてお話しします。
「すき間均等法」で文字を美しく見せる
すき間というのは、点画と点画のあいだの空間のことです。このすき間にまるを書いた時に、まるが同じ大きさになる。これはすき間が同じ大きさである、ということです。すき間がばらばらだときれいな文字には見えません。すき間の大きさがそろっていることが、文字の形が整ってきれいに見える大きなポイントなのです。このことを青山メソッドでは「すき間均等法」と呼んでいます。
「すき間均等法」基本編 「川」「羊」「用」
●「川」
それではまず、「川」という字を書いてみましょう。
3本の縦画のすき間を均等にすることを意識してください。
●「羊」
次は、「羊」という字を書いてみましょう。
3つの横画のすき間が均等になるように書きます。
●「用」
縦方向の画と横方向の画が組み合わさったのが、「用」という字です。
四角いすき間の大きさが同じになるように意識して書いてみましょう。
「すき間均等法」応用編 「心」「感」
青山メソッドのすき間均等法は、文字のだいたいの形を整えるのに有効な手立てです。どんな字でも使えるということを、さらに見ていきましょう。●「心」
それでは、「心」という文字を書いてみます。
点画のすき間を見てください。
このように点画の配置がばらばらに見える文字でも、隣り合うすき間を均等にすることで形を整えることができます。
●「感」
もう少し複雑な文字についても見てみましょう。「感」という文字を書きます。
こちらもすき間均等法で、整った形になっていることがわかります。
書き方は漢字と同じ カタカナにも挑戦しよう
ここまで主に漢字の書き方について説明してきました。続いてカタカナの書き方について紹介します。カタカナの書き方は漢字と同じです。漢字の書き方の復習を兼ねて、カタカナの書き方を見ていきましょう。
カタカナは漢字と同じ点画でできています。筆使いも同じで、筆の穂先が常に左斜め上、45度になること、肘をしっかり動かすことなど、注意するポイントも同じです。
また「ク」の2本の左はらいは「冬」と同じように、少し開く形になっています。字形を整えるポイントも、漢字を書く時と同じなのです。線の長さ、方向に注目し、すき間均等を心がけるようにしてください。
今回は「すき間均等法」について紹介しました。文字を書く時は隣り合うすき間を均等にする。このことを心がけると、美しく読みやすくなります。毛筆に限らず、文字を書く時にはいつもすき間を意識するようにしてみましょう。
毛筆学習がはかどる工夫 「紙挟み」 |
書き上げた作品は、新聞紙で作った「紙挟み」に挟んでおくと、場所をとらずきれいに整理しておけます。 <作り方> 新聞紙を半分に切り、2つに折ります。 取っ手の付いた紙袋を新聞に合わせた大きさに切って新聞をはさみ、ホッチキスで留めればできあがりです。 ※取っ手があるので半紙を挟んで引っかけておけます。 |