ものすごく無気力です[うちの子、どう接したらいいの?]

今週の相談「ものすごく無気力です」


ものすごく無気力です[うちの子、どう接したらいいの?]


相談者
性別男子
相談者:母
学年:小6

相談
小6の息子のことで相談です。毎日ゲームをやってごろごろしていることが多く、外で遊ぶなり、習い事なりスポーツなりすればよいのに、と思いますが、何かとすぐ「疲れる」と言います。体力がないのか、おもしろいと思えることがないのかわかりませんが、こんな調子で中学校でも部活に入らないような気がします。宿題はしますが、それ以上のことは「めんどい」と言ってしません。無気力さが気になります。活発にならなくてもよいから(笑)、何かひとつくらい好きなものに打ち込んで目をキラキラさせている我が子を見てみたい。それは親の勝手でしょうか。

福谷先生のアドバイス
小6男子としては消極的な性格に見えますが、近年、大都市部において多くみられるキャラクターかもしれません。

遊び場もなく、公園に行けば、○○遊びは禁止。サッカーをするにも野球をするにもクラブチームのメンバーでなくては試合もできない。また、チームに所属していても下手だと試合に出られないので楽しくない。遊ぶといっても受験する友人とは遊びづらいし、受験しない友人と遊ぶとしたら、お互いの家でゲームするくらいか思いつかない。
どうでしょうか。

この子が言っている「疲れる」というのは体力的なものではなく、精神的にめんどうくさいことを「疲れる」と表現していることが多いと思います。

私も本件では保護者のご意見と同様、「中学校に入ったら部活に入り、学校生活を楽しんでほしい」と思います。
学校というところは本来、「楽しいところ」なのです。楽しいところであるために大人も日々、努力しています。小学校にはなかった部活もあります。部活で強くなれば、遠くの街まで練習試合に行けたり、全国大会にだって出場できたりします。受験の成功者だけが、楽しい所へ行けるのではありません。本来、入学したすべての生徒にとって「楽しいところ」が学校なのです。なんとか中学校で「楽しいところ」を見つけたり、自らつくりだしたりして中学校生活を楽しんでもらいたいと思います。
また、学外でも「楽しいところ」があれば良いと思います。何かの道場に通うであるとか、名工から工芸を習うような体験プログラムに参加するなどもその一例でしょう。

最後に男子中学生の多くは中2くらいから疲れていなくても「めんどい」「ねむい」「だるい」などと口癖のように言うのが多数派となります。これは、「もう、俺は小学生ではなく大人なんです」という「背伸び」なのです。この背伸びは「親離れ」の表れでもあります。

本件は男子としては「親離れ」の行為が小学6年生から起きた事例と考えても良いかもしれません。

プロフィール



臨床心理士。臨床心理士コラボオフィス目黒理事 。二松學舎大学附属高等学校スクールカウンセラー。著書に『男の子の上手な育て方』。ご自身は、中学生のお父さま。

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