寝汗が気になる夏の時期、お子さまを快眠環境に導く布団の洗濯方法
布団の洗濯って必要?
目立った汚れがつくことが少ない布団は、洗濯する必要があるのか疑問に思われるかもしれません。しかし、毎日使っている布団には汗や皮脂などの汚れがたまり、それらをエサにするダニなどの雑菌が繁殖することもあるため、定期的な洗濯が必要です。特に、寝汗をよくかく夏の時期は、すっきり水洗いした布団で眠りたいもの。
専門のクリーニングに出せば手間がかからない一方、コストの面を考えると、なかなか手が出ないというかたも多いのではないでしょうか。そこで、ご家庭で手軽に、安価にできる洗濯の方法をダスキンの商品開発・企画部の日置康映さんに伺いました。
洗って大丈夫?洗濯方法
まずは、使用している布団が洗えるタイプのものなのか、洗濯タグを見て確認します。
<洗える>
・水洗い可能表示マークがある
※手洗いマークの場合は、洗濯機の取扱説明書に従ってください。
<洗えない>
・水洗い不可表示がある、または水洗い可能表示がないもの
・生地が破れていたり、傷んでいるもの
また、羽毛布団を使用されていて、家庭で洗濯できるかお悩みを抱えているかたも多いかもしれません。羽毛布団は一度濡れると、表面のカバーは乾いていても中の羽毛が乾きにくいため、ご家庭で洗うのは避けたほうが無難です。ただ、水洗い可能表示マークがある薄手の羽毛肌掛けふとん(羽毛重量が500g以下場合)ご家庭でも洗濯が可能です。
ここでは、<洗える>場合の、洗濯方法をご紹介します。
・家庭の洗濯機で洗う
一番お手軽なのが、布団を自宅で洗う方法です。まずは布団のサイズと洗濯機の容量を確認します。
目安として、シングルサイズの羽毛布団であれば5キロ以上、タオルケットなら4キロの洗濯機で洗えます。縦型洗濯機の場合は、寝具用の洗濯ネットを用いて洗濯いただくことをおすすめいたします。ドラム式洗濯機の場合は、ネットが不要のことが多いようです。
詳しくは、ご使用の洗濯機の取扱説明書に従ってください。
洗濯洗剤は、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を使い、洗濯コースを「毛布コース」や「おおもの洗いコース」で洗います。この洗濯コースでは、布団が水に浸かるよう高水位になり、側生地や羽毛などの中材が傷まないように、時間を掛けて優しい水流で洗います。
また、羽毛などの中材が多い布団は、洗剤成分が残りやすいことから、たっぷりの水で濯ぐように設定されています。やわらかく、ふかふかに仕上がります。
・コインランドリーで洗う
布団が大きくて自宅の洗濯機が使えない場合は、コインランドリーを利用します。洗濯機の容量が選べるコインランドリーですが、洗濯槽が9割くらい埋まる大きさを目安に選ぶとよいでしょう。
洗う時は、中で中材(羽毛や綿など)が偏ってしまうことを防ぐため、ロール状に巻いたあとの布団を3~4か所ひもで縛ってください。
ただし、羽毛など天然素材の寝具はタンブラー乾燥不可能なものが多いため、事前によく洗濯表示を確認してからコインランドリーに持っていくようにしましょう。
また、<洗えない>布団の場合は、専門業者のサービスを利用します。クリーニング店の布団洗濯サービスや宅配クリーニングなど、種類はさまざま。専門業者を選ぶポイントは、しっかり布団の中まで、水が浸透するように工夫した洗浄工程があることと、短時間で乾燥させる乾燥工程が訴求されていることの2点です。
お手入れ方法の種類
ここまで布団の洗い方をご紹介してきましたが、布団の種類によってお手入れの方法は異なります。
<洗い方>
和布団:綿を詰め込んだ昔ながらの布団は、自宅で洗うことはおすすめできません。中綿が偏ってしまうなど、布団を傷める可能性が高いからです。専門のクリーニングや、中綿を補充交換をして、元のふっくらした状態に仕上げてくれる「打ち直し」に出すようにしましょう。
羽毛布団:自宅の洗濯機で洗えるものと洗えないものがあります。洗濯表示を確認して、自宅で洗える場合は、上記で紹介した手順で洗濯します。
ポリエステルなどの化繊布団:洗えるように工夫されている製品が多く、もっとも自宅で洗濯しやすい布団です。
<乾かし方>
・天日干し
洗った布団は1~2時間天日干しにします。その後、直射日光があたらない※風通しのよい場所に、物干し竿2本をまたぐ形で干します。布団の表面が乾いても中はまだ乾いていないことがあるので、時間をかけて乾燥してください。
※長時間、直射日光に当てると紫外線により生地が傷んだり色あせたりする場合があるので、注意してください。
生乾きのままだと雑菌が繁殖し、カビや匂いの原因になります。
仕上げに、布団乾燥機を使用するのもいいですね。
もし、十分に乾燥しない場合は、すみやかに専門業者にご相談ください。
・乾燥機
ポリエステルの布団の場合は、乾燥機を利用することもできます。コインランドリーを利用したときや、早く乾燥させたいときは活躍します。時間の目安は30分~1時間。布団は濡れていると小さくなっていますが、乾くとふっくら大きくなるので、濡れた布団をいれたときに容量が1/3以下になるサイズの乾燥機を使うのがおすすめです。
<保管方法>
長期間保管する場合は、洗って寝汗や皮脂汚れを取り除いてから、しまうことをおすすめします。湿気や汚れが残っていると、カビやダニの繁殖を招くことに。
普段の保管はしまう前に、しっかり乾燥させてください。
風通しのよい場所で天日干ししましょう。乾燥させた布団は、布団袋に入れて、防虫剤とともに押入れに入れて保管します。布団袋は、通気性のよい布製か不織布がおすすめです。
布団を収納した押し入れは、定期的に風通しするようにします。
また、使用する前は天日干しをして布団をやさしく揉み、中に滞留した空気を出し入れして、換気するとよいでしょう。
<洗濯頻度>
・最低でもシーズンごとに1回、布団をしまう前を推奨しています。汗をかきやすい夏の場合は、気になったときに、こまめに洗濯してください。
(まとめ)
人は、就寝中にコップ1杯分の汗をかくと言われています。布団の中の湿度が高い状態が続くと、カビ・ダニが繁殖しやすくなります。また、ダニのふんや、ダニの死骸がアレル物質になります。
寝汗などで湿気った布団は、朝起きたらかけ布団をめくって風通しをよくしてすばやく乾かすと、毎日快適に使うことができます。寝苦しくなる夏の時期、清潔な布団で快眠環境にできるといいですね。
(取材協力:(株)ダスキン https://www.duskin.jp/campaign/laundry_r/)