お子さまと一緒にスマホエチケットについて考えてみよう。
持っていれば便利なツールであるスマートフォン(スマホ)。今では、生活に欠かせないアイテムのひとつになっています。
スマホはお子さまが成長し中学や高校に入学することで、部活動や塾など、帰りが遅くなったときの連絡手段として使うことができます。また、スマホを持っている友達とコミュニケーションを図るために、自分も使いたいという気持ちが、お子さまにも芽生えてくるようになります。
しかし、使い方次第ではトラブルの元になってしまうこともあるため、お子さまがスマホを持つことを心配する保護者の方も多いのではないでしょうか。まず「スマホを持ちたい」というお子さまの希望を叶える前に、決めておきたいのが使い方のルールです。どんなルールが必要か、考えてみましょう。
スマホのルールは作ったほうがいいの?
スマホを持つと、通話やインターネット接続などが気軽に行えます。親子で連絡をとり合うのには便利なツールです。
しかし、SNSなどにより顔の見えない他人との接触が容易にできてしまうことやお子さまに必要のない情報まで得ることができてしまうことなどデメリットもあります。お子さまにとってのトラブルを回避するためにも、ルールを作ったほうが安心できるでしょう。
しかし、スマホは便利ですので、楽しくて夢中になるあまり、中学生や高校生のお子さまが部屋にこもって熱中してしまう可能性もあります。ルールを決めても自制できない場合も少なくないため、使用時間以外は保護者が管理するなどの内容をルールに盛り込む必要もあるかもしれません。
また、お子さまが18歳以上になった場合でも、大きなトラブルを避けるための最低限のルールがお子さま自身を守るために必要になるということを、お互いにきちんと確認しておくことが必要です。
具体的にどんなルール?
では、ルールの中に入れたい項目にはどのようなものがあるのでしょうか?
◆公共の場でのエチケット
他人に迷惑をかける可能性がある公共の場では、スマホの利用は避けましょう。たとえば歩きながらスマホを操作して、周りが見えているつもりでも他人にぶつかったり、通行の邪魔をしたりすることがあります。大きな事故につながるなど、大変危険ですので決してしないように伝えることが大切です。
また、誰かと話をしているときにスマホを使うのは失礼にあたります。しっかり向き合って会話をすることを、約束事項に入れるとよいでしょう。
同様に、食事中はスマホに触らないようにすることも大切なエチケットのひとつ。食事のときには、食材の味や会話を楽しむよう、お子さまに伝えることも重要です。
◆時間管理
1日にスマホを使用してもよい時間と、使用時間帯をお子さまと一緒に決めて、設定しておきましょう。夜間は目が届く場所でスマホを管理しておけば、お子さまがスマホを使いすぎて夜更かしをすることで寝不足になってしまうのを防いだり、スマホ依存症になったりせず、規則正しい生活を送ることができます。
また、学校のテスト期間中は使用を控えるなど、使用期間についても決めておくと、生活リズムの乱れを予防できるでしょう。
◆その他
スマホを使って、インターネット上に個人情報や他人の悪口など、トラブルの元になるような書き込みをしないようにすることも非常に重要です。結果的にお子さま本人が傷つくことになりますので、きちんと話し合っておきましょう。
他に約束事として話し合っておきたいことには、以下のような事柄が挙げられます。
・お子さまが見たいサイトに勝手にアクセスしたりアプリを取得したりして、保護者に無断で課金をしないこと
・ポルノサイトの閲覧禁止や不用意な写真の送信禁止など、性犯罪対策
これらは、キャリア側の設定で利用制限ができます。どうしていけないことなのか、しっかりとお子さまと話し合い、一緒に設定をするのもよいでしょう。
・お子さまが約束したルールを守れなかったときのペナルティも、しっかり話し合って決めておくのもよい案です。厳しい内容でも、時にはそれがお子さまを守ることにつながります。ルールを決めるときは「お子さま自身を守るためのもの」ということをきちんと説明して話し合うことが重要です。
ルールを決める際のポイントは?
◆話し合いが大切
ルールは、保護者もお子さまも納得できるものでなければなりません。そのために、まず「スマホを持つ必要性は何か?」ということを親子で確認しましょう。
そのうえで、「なぜ使い方にルールが必要なのか」を話し合うことが大切です。どんな危険があるのかということや、自分自身を守るためにルールが必要ということを理解すれば、お子さまがルールを破ってしまう可能性は低くなります。
加えて、スマホの契約時につけられる通話制限や利用料金の上限などの条件は、保護者で勝手に決めずに一緒に話し合いましょう。そうすることで、お子さまもスマホを持つ自覚や、使い方やルールに対する意識を持ちやすくなります。
◆ルールの見直しを
ルールは、一度決めたらおしまいではありません。定期的に親子で確認し、ルールの修正が必要であれば、そのつど見直すことも大切です。後でもめることがないように、保護者が認めないとダウンロードできないなど、物理的な課金制御の仕組みも、お子さまと話し合ってから詳細を決め、利用するようにしましょう。
家族に合ったルールを
日々報道されているスマホに関わる事件を目にすると、不安な気持ちを抱く保護者のかたも多いかもしれません。だからこそ、お子さまにスマホを持たせる場合には、家族でしっかり話し合い、家族のルールを決めておくことが非常に重要です。
他の家族の例を参考にしながらも、自身の家族の状況や価値観に合った、オリジナルのルールを決めるとよいでしょう。ルールをきちんとお子さまに守ってもらうためにも、日頃から親子間のコミュニケーションや信頼関係が大切です。
頭ごなしにルールを決めるのではなく、お子さまがスマホを持つときに保護者自身もスマホとの付き合い方を見直し、家族みんなでスマホ利用のルールを考える良いタイミングととらえましょう。