食中毒? それとも風邪? 子どもがお腹を壊したときの見極め方
子どもがお腹を壊してしまう原因はさまざまなものがありますが、すぐ思いつくのは食中毒や風邪によるものです。
食中毒の中にも、軽いものから重いものまで、原因や体調によって程度は大きく異なります。また、すべての風邪がお腹を壊すとは限りません。お腹の調子が悪いお子さまにはどのように対応するのがいいのでしょうか。
原因がわからない場合も多い…症状に応じた治療を
腹痛、下痢といったお腹の不調の原因をきたすものはとても多くて原因を特定するのは非常に難しいことが少なくありません。
原因究明よりむしろ重要なのはそれぞれの症状に合わせて治療を行うことです。治療といっても、薬とは限りません。休息をとる、食べ物や飲み物を調整する、脱水を防ぐなどがとても大切です。
お腹を壊した際には、程度が軽ければ自宅などで様子を見ても大丈夫ですが、次のような場合は病院へ行き、適切な診断と治療を受けることが必要になります。
・1日10回以上の下痢
・眼が落ち込んでいたり、舌や皮膚が乾燥している、おしっこの量が少ないなどといった脱水症状がみられる
・便に血液が混じっている
・意識がもうろうとしている、ぐったりしている
・高熱が出ている
・尋常でない強い腹痛があったり、嘔吐(おうと)が繰り返し見られる、お腹が異常に膨らんでいる、触ると痛がる
上に示したような症状を示したら一刻を争う病気である可能性もあるため、場合によっては救急車などの利用も考慮した方がよいでしょう。
症状が長引く場合で、次第に状態が悪くなっているようなら、やはり救急病院にかかるのがいいでしょう。
症状が軽く、ご自宅で様子を見る場合には
腹痛や下痢はあるようでも徐々に回復し、休んでいれば問題なさそうだ…という場合には、次のようなことに気をつけながら様子を見ます。
・定期的な水分補給
下痢が続くと脱水症状を招きやすいため、定期的に水分を補給するようにします。あまり冷たく冷やした飲み物はお腹を冷やして逆にお腹を痛めてしまう危険性があるため、常温で保存しておくか、あるいはスプーンなどでごく少しずつ口に含んでから飲みこむなどの工夫をしましょう。イオン飲料のほか、お味噌汁の汁のみなども水分、塩分を効率的に摂取することができます。
・無理に食べさせない
下痢が続くとどんどん体力が落ちるため何かを食べさせたくなりますが、腸が快復していないままに食べ物を摂取すると、腸の回復はますます遅くなります。下痢が落ち着くまでは食べることを控えたほうがいいのです。
少しでも落ち着き、食欲が出たようであれば、消化によい柔らかな食べ物を食べるようにしましょう。おかゆやよく煮たうどんのほか、キャベツやニンジンなど、繊維質の少ない野菜を柔らかく煮たもの、具を小さく刻んだお味噌汁もおすすめです。
・むやみに下痢止めは使わない
下痢が発生する理由は、体内から悪いものを早く出そうとする身体の防衛本能によるものである可能性があります。ご自宅に下痢止めの薬があっても、医師の判断なくむやみに服用することは避けた方がよいでしょう。あまりにも体力が落ちてしまった場合などは、医師の判断により服用をすすめられることもあります。勝手に判断するのは危険です。
お腹を壊していると非常に体力を消耗します。本人が一番楽な姿勢で静かに休んで、回復を待ちましょう。
お腹を温めると少し楽になることも多いので、やけどに気をつけながら湯たんぽやカイロを利用してもいいですね。くれぐれもやけどしないように、決して直接肌には触れないように、タオルなどでくるんで温度調節をしてください。
5~6時間たっても改善が見られない場合には、その時点ですぐに小児科を受診するのが安全です。