命令よりも提案を 発達心理学の専門家が伝授する、子どもの負の感情との付き合い方

命令よりも提案を 発達心理学の専門家が伝授する、子どもの負の感情との付き合い方幼稚園や保育園での集団生活がスタートすると、「怒りっぽい」「内気」「マイペース」など、我が子の性格が気になるという保護者も多いのではないだろうか。ベネッセ教育情報サイトでは、子どもの性格とどう付き合うべきか、発達心理学が専門の白百合女子大学の秦野悦子氏に教えてもらった。

 

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近年、とくに保護者と子どもとの関わりの中で気になっているのは、お子さまの負の感情と向き合うことを避けてしまうことです。たとえば、スーパーなどでお子さまが騒いでしまう時、お子さまの気持ちに寄り添うのではなく、「何度言ったらわかるの」「何でそんなことするの」とお子さまを一方的に叱ったり、原因を問い詰めたりしてしまうのです。
きっと、保護者のかたはその場の騒ぎを収めたいという思いから、そうした行動をしてしまうのだと思いますが、お子さまも自分の気持ちをうまく伝えられないため騒いでいる可能性が大きいです。保護者の立場で結果や状況だけを見るだけではなく、「どうしてそういうことをするのかな」と、その裏側にある気持ちを考えてあげることが大切です。お子さまの気持ちに共感してあげて、保護者のかたがアドバイスする場合は、命令ではなく提案してあげるとよいでしょう。
このように、負の感情と向き合ううちに、お子さまの性格がだんだんわかってくるはずです。性格がわかれば、次に困ったシーンが起こった時も、対応策が浮かんでくるかと思います。また、怒りや悲しみなどの気持ちを保護者とお子さまが伝え合う経験を積むことで、お子さまが集団生活に入った時に自分の気持ちを伝えることができるようになるでしょう。
保護者が「今、親子関係がよい状態」と思えることが、子どもの発達にとって重要です。「よい状態」というのは漠然としていますが、「寝る前に大好きと言ってくれた」「さりげなく体調を気遣ってくれた」といった、ささいなシーンで感じられることかもしれません。そうしたシーンを増やせるように、どうすればよいのかなと考えてほしいと思います。

 

出典:子どもの気になる性格にどう対応すべき?【前編】負の感情にも付き合おう -ベネッセ教育情報サイト

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