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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 家庭での対応
母親の前では明るくいっぱいお話をするのですが、ほかの人の前では無表情でいるようです。
母親の前では、明るくいっぱいお話をするのですが、ほかの人の前では、無表情でいるようです。何か行動を起こすときも、だだをこねたりして、反抗期なのかな?とも思えるのですが、一度どうしてかと聞いたら「心の中に鬼がいて、その鬼が暴れたりするの」と言います。「そのとき自分は横でそれを見ているの。だから、ひとりでいる方がいい」と言います。
知らないところで何かあったのでしょうか? それとも子どもが作り出す幻想で、問題はないのでしょうか。
対人関係で緊張が強いようであればお子さんが安心できる声かけや環境の工夫をしてください。
家族以外の人に対して緊張が強く、じょうずにお話ができなかったり無表情になってしまうお子さんはいます。しかし、そのような場合でも通常は時間をかけて慣れてくると、問題なくかかわりをとることができます。
ご相談のお子さんは5歳になっていますので、既に集団に入っていることと思いますが慣れた集団の中でもお友だちや先生にあまり表情を出さないのでしょうか?
今まで他人に対して何の問題もなかった子どもが急に無表情になる時は何らかのストレスがかかっていることが考えられます。そのような場合は、お子さんにとって心理的負担と思われることを把握し、対応していくことが大切です。
5歳ごろになると絵本の物語を理解し、イメージが豊かになって子ども自身がお話を作るようになります。
一般的に子どもにとって「鬼」は怖いものです。しかし、お話の中で現実と空想がまだ混在していますので、お子さんにとって「鬼」が何を指すものなのかはわかりません。お子さんにとって怖いと思える何かがあるのでしょう。
例えば集団の中で活発なお友だちが何となく怖くて近づけず、じっと見ている自分の様子を表している場合もあります。もともと表情が少ない、人とかかわることをあまり好まない傾向があれば発達の問題としてとらえなければなりません。
言葉の発達に問題がなく、表面的には人とかかわれているように見えても、お友だちとの関係のとり方が未熟であったり、自分の感情をうまく出せない、相手の感情も読み取りにくいといった、社会性やコミュニケーションの問題を抱えていることがあります。何か行動を起こすときにだだをこねるとありましたが、自分のペースが強く、場面や物事の切り替えに時間を要するタイプなのかもしれません。
お子さんの好きなことをたくさんして、他人と楽しいという気持ちを共有できる機会をつくってあげることが必要です。安心感、自信をもたせながら人とのかかわり方を具体的に教えてあげましょう。
いずれにせよ集団の中での様子を先生がたからお聞きになり、ご心配であれば発達について専門機関にご相談ください。
就学前にお子さんの状態をきちんと把握しておくことは大切です。