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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - その他の症状
発熱時にけいれんをして、医師に脳波を調べようと言われている。てんかんを見分けるのに脳波以外の方法はありますか?
1歳4ヵ月の男の子なのですが、先週急に熱が出てぐったりし、救急に連れて行くとけいれんを始めました。お医者さまの話では、熱も高くけいれんも1〜2分のことだったので、おそらく熱性けいれんだと思われるが、けいれんのときに少し左右差があったので、一度脳波を調べようと言われました。
おそらく、てんかんを疑われているのだと思うのですが、脳波以外で見分ける方法はないのでしょうか。またけいれんのときに左右差があると熱性けいれんではないのでしょうか。少し心配なので教えてください。
恐らく熱性のけいれんだと思われます。脳波の検査はほかの病気が要因であるかどうかの補助手段で、むしろけいれんの症状の方が診断の際には重要です。
この年齢で、急に高熱(38度以上)が出て、1〜2分の全身けいれんを起こす場合は、多くは熱性けいれんです。子どもでは高熱とけいれんはしばしば合併して見られます。
熱性けいれんのほかに、もともとてんかんがあり熱で誘発されたけいれんの場合や、脳炎や髄膜炎などの症状として表れるけいれんの場合があります。けいれんの原因が脳に異常があること(てんかんなど)に関連しているかどうかを調べるために脳波をとることがあります。
ただし、脳波の検査はあくまでも補助手段であり、てんかんであるかどうかは、ほかの臨床症状を参考にして診断をしていきます。
けいれんの際の症状として重視すべき点は、38度以下の熱でけいれんを起こしているか、最初の熱けいれんを起こした年齢が3歳を越しているか、けいれんの状態に明らかな左右差があるか、けいれんを起こしている時間が20分以上と長いか、けいれんが治まったあとの意識の戻りが悪いか、手足の動きが悪い(麻痺:まひを残している)、けいれんが治まったと思ったらすぐにまたけいれんを繰り返す、嘔吐(おうと)を伴うなどの症状が挙げられる場合です。
このような状態が見られる場合は単なる熱性けいれんではない可能性があり、CTスキャン、MRI検査、髄液検査などほかの検査も必要になるかもしれません。
お子さんの場合は、少しの左右差ということですので、心配はなさそうです。
体の姿勢や衣服や布団などの状態により、左右差があるように見えることがありますので、この程度なら問題はありません。
おそらく念のための検査だと思われますが、脳波の検査そのものは、子どもに痛みや苦痛を与える検査ではありませんので、必要があれば検査を受けておくとよいでしょう。
次に熱が出たときのけいれんの予防のために、ダイアップという座薬をもらうことがあります。38度以上の熱が出たときにお尻から導入しますが、主治医の指示に従ってください。