長引く咳は気管支炎かも? 苦しい咳を少しでも楽にするには?

風邪をひいた子どもの咳がなかなか治らない、それどころか、たんがつまったようなごほごほとしたひどい咳になり、呼吸するのも苦しそう…。このような場合、「急性気管支炎」という病気かもしれません。風邪から発展しやすく、なりやすい子どもは何度でもくり返してしまう苦しい症状です。どんな病気なのか、詳しく解説します。


身体の深い部分、気管支が炎症を起こす病気

 風邪の場合、ウイルスや細菌により空気の通り道である気管の上のほうに炎症が起きるのですが、急性気管支炎は、「気管」の下部で、気管が右と左に分かれる部分である「気管支」に炎症が及んだものです。
つまり、いきなり急性気管支炎になることは少なく、最初にコンコンといった乾いた咳や発熱などの症状があり、それに引き続いてゴホゴホといったしめった咳や、時には呼吸が苦しそうになったりすることがほとんどです。

 

風邪が長引いて咳き込みがひどい、呼吸をするとぜーぜー、ひゅーひゅーという音がする、息するたびに胸やあばら骨の間がへこむ、うめく、などと呼吸困難の症状が出てきたら、あまり無理をしないで小児科を受診するのがいいでしょう。

 

なお、急性気管支炎の原因のほとんどはウイルスや細菌ですが、煙草や排気ガスなどによる空気の汚れ、アレルギー、ストレスなどによっても発症することがあります。その場合には、いままでの病気の経過やそれまでの症状、体調の変化、生活環境をしっかり医師に伝え、相談しながら原因をあきらかにする必要があります。

 

 

咳がひどくて苦しそう…自宅でできることは?

 気管支炎の咳は長引いてしまうことが多く、子どもの体力も消耗してしまいます。少しでも体が楽になるよう、ご家庭では次のような工夫をしてみてください。

 

・こまめに水分を取る

喉を潤し回復を助ける意味もありますが、たんを出しやすくする効果もあります。一度にたくさんの量を飲む必要はありませんが、脱水にならないように小まめに水分補給させてください。

 

・部屋を加湿する、よく換気する

秋から冬、春にかけては空気が乾燥します。室内ではできれば加湿器を付けて適度な湿度を保ちましょう。また、汚れた空気も症状を悪化させるため、換気も忘れずに。通院のためやむを得ず外に出る場合などは、マスクをつけましょう。「濡れマスク」なら少し呼吸も楽になるかもしれません。

 

・ホコリをたてないよう工夫する

ハウスダストアレルギーがなくとも、粒子の小さなホコリは咳のきっかけになってしまいます。布団の上げ下げをする時にはホコリの影響がない場所に移動させましょう。その際、シーツやカバーを替えたり、布団用掃除機でホコリを吸い取ったりするのも効果的です。ご自宅に空気清浄機があれば利用しましょう。もちろん子どものそばで煙草はだめですよ。

 

・香水や香りつき柔軟剤など、においのあるものは遠ざける

においは咳の直接の原因にはなりませんが、ホコリのように咳を誘発してしまう可能性があります。湿度を保つために室内干しにする場合には、においが強すぎないよう注意しましょう。

 

・咳で眠りにくそうなときは上半身を起こした状態にする

咳が続いて眠れない場合には、上半身を起こすと横隔膜が下がって気管や肺が圧迫されず、少し楽になります。赤ちゃんであれば眠りにつくまでだっこしてあげてください。仰向けよりは横向きにし、枕の高さを調整して気管がまっすぐになるようにしましょう。角度が調整できる座椅子や布団を利用し、リクライニングベッドのように座った姿勢に近い状態で眠らせるのも一定の効果があります。

 

 

気管支炎になると咳のためにうまく食事が摂れないこともあります。また食べても咳の勢いで吐いてしまうこともあります。本人はもちろんですが、看病する大人もなかなか落ち着かないかもしれません。本当に水分を受け付けなくて脱水が心配ならば、医療機関にかかって指示をもらってくださいね。

 

 

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