保護者が子どもに頼れば何かが変わる? コーチングのプロが解説
子どもを頼りにすることはあるだろうか。「まだ子どもだから」と思っていても、実は頼ってみたほうが子どもの成長につながるかもしれない。こうしたことについて、ベネッセ教育情報サイトでは、コーチングのプロ・石川尚子氏にアドバイスをしてもらった。
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ある時、子どもに道案内をお願いするお母さんを見かけました。小学校低学年ぐらいの男の子ですが、なかなかに頼もしいガイドぶりです。このお母さん、わざとそうしているのか、本当に不案内なのか、お子さんにずっと質問をして、確認しています。その都度、お子さんは、自分で考え、お母さんをリードしていきます。なかなか興味深い光景で、自分で考え、行動する習慣が身に付く関わり方って大事だと思わされました。
また、子どもに「勉強しなさい」と言ったことが一度もないというKさんは、折々に、お子さんに相談しながら物事を進めてきたそうです。その都度、お子さんは、自分なりの意見を言ってくれました。「そうじゃないな」と思う意見が返ってきても、相談した手前、いったんは受けとめるようにしたそうです。お母さんがこんな調子なので、お子さんのほうは、進路選択も自分で考え、必要な勉強に自発的に取り組みました。今では、成人されて、自分のやりたい仕事でイキイキと活躍されているとのこと。
「こうしなさい」と一方的に言われるだけでは、考える力も自発性も芽生えません。一方で、自分が頼りにされているとか、自分の意見を大人に尊重してもらえたと思うと、子どもは自分の存在価値を感じることができます。また、質問されることで、自分なりに解決策を考える習慣が身に付きます。「自分の課題は、自分で考え、解決できる」という自己肯定感も持てるでしょう。どんどん頼ってみると、子どもの自発性は引き出されていくように思います。勇気を持って、子どもにもっと頼ってみてはどうでしょうか。
出典:もっと子どもに頼ってみよう! -ベネッセ教育情報サイト