巧妙化する金銭トラブルから子どもを守る 「だまされない大人」にするためには?

2014(平成26)年12月、警察庁の発表では、振り込め詐欺の1~10月の被害額が約293億9,000万円に上り、過去最悪のペースで増えている。また、高齢者だけではなく、実は若者がだまされる詐欺的トラブルも急激に増えているという。ファイナンシャルプランナーの宮里惠子氏に、「だまされない大人」に我が子を導く方法を伺った。

 


巧妙化する金銭トラブルから子どもを守る 「だまされない大人」にするためには?

 

子どもたちは19歳までは「未成年者」として法律で守られていますが、20歳の誕生日を迎えた途端、多くの危険にさらされます。若者がだまされる背景には・だます側のテクニックが悪質化・巧妙化していることや、SNSによって知らない人同士が結びつく機会が増えたことなどがあります。また、親世代の中には、労働の対価としての所得以外にも収入を増やす工夫をしてきた人たちも多くいるでしょう。もしかしたら、知らず知らずのうちに社会全体で「楽をしてもうける人」のことを成功者のように、子どもたちに教えてきてしまった面もあるかもしれません。

 

あるマルチ商法では、150万円の商品を100万円に値引きすると勧誘して契約をさせます。被害者は、50万円値引きされて得をしたような気分になり、契約をしてしまうのです。また、欲しい物が品切れの際、一件だけ半額の5,000円で販売しているネットショップがあったら、「ラッキー」と感じた人が注文をしてしまいます。多くの場合、偽物が届くか、何も商品が届かないまま連絡が取れなくなってしまいます。「この商品に100万円の価値があるのだろうか」「どこにも在庫がない商品が激安価格で販売されているのは怪しい」と敏感に感じられるように育てることが、将来「だまされない大人」を育てることです。

 

2012(平成24)年に消費者教育推進法が制定され、ようやく学校・大学・地域における消費者教育が推進されつつあります。学校と家庭が連携して「だまされない大人」を育てましょう。

 

出典:「だまされない大人」に育てるためにできること -ベネッセ教育情報サイト

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