思春期にこそ始めたい金銭教育 お金のプロがアドバイス

思春期にこそ始めたい金銭教育 お金のプロがアドバイス使う、稼ぐ、貯める……。日々の生活と切っても切り離せない「お金」。これから一生続いていくお金との付き合い方を、子どもにどう教えるべきか。中学・高校生時代の金銭教育について、ファイナンシャル・プランナーの山本節子氏が解説する。

 

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思春期からは、ぜひ本格的に金銭教育をしていただきたいと思います。子ども同士で行動することも多くなるうえ、自我が形成され、保護者には言いたくないことが増えてきます。そのため、お金に関するトラブルに巻き込まれやすくなるのです。

 

女の子ならかわいい服や小物、男の子ならゲームやデジタル機器など、さまざまなものが欲しくなる時期。中・高生をターゲットにしたビジネスは発達しており、あの手この手で購買意欲をあおってきます。問題は、「欲しい」気持ちにつけ込む悪い大人がいることです。

 

ぜひ、「世の中に甘い話はない」ということをしっかり教えてあげてください。「簡単にお金が手に入る」といった話には絶対乗らない、欲しくもないものをすすめられたらきっぱり断るといったことは徹底すべきです。キャッチセールスをはじめ、町にはさまざまな怪しい商売があふれていますし、恋愛感情を利用していつの間にか高額なものを買わせる「デート商法」や、振り込め詐欺など犯罪の片棒を担がされるような危険なアルバイトもあります。誘惑に弱い人や断れない人が悪徳商法の絶好のターゲットとなることは、ぜひ強調しておいてください。

 

また、保護者のお金を盗った、おつりをごまかした、カードを勝手に使った……など、お金をめぐるトラブルも、思春期によく起こります。
大切なのは、頭ごなしに叱らず、なぜそんなことをしたのか時間をかけて聞くことです。いじめにあっていて脅されているなど、やむにやまれぬ事情があるのかもしれません。そんな場合、子どもは「いじめられている」「不正を犯した」という二重のつらさの中にいます。子どもたちはたいてい「親に打ち明けたら絶対叱られる」と考えており、本当のことを話せなくなっています。きょうだいや友達の前で叱りつけるのは、本人のプライドを傷つけることになりますから、絶対に避けてください。保護者に話せないなら、本人が信頼している大人に話を聞いてもらうのもよいでしょう。

 

出典:どう教える? 金銭教育のポイント 中学・高校編 ベネッセ教育情報サイト

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