ロボットアーム法で上半身を使って書く 美文字王子が教える毛筆の極意

ロボットアーム法で上半身を使って書く 美文字王子が教える毛筆の極意小学校3年生から書写の授業で、毛筆の学習が始まる。お子さまは毛筆を苦手と感じていないだろうか? 美文字王子こと、横浜国立大学教授の青山浩之氏が毛筆の上手くなるコツ「青山メソッド」を伝授してくれた。まずは、筆を始めとした道具の正しい使い方や姿勢、基本の「横画」「縦画」について学んでみよう。

 

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新品の筆はのりで固まっています。穂先の方からゆっくりとほぐしてから使います。片手で筆を回しながらまんべんなくほぐしましょう。このとき根元から3分の1ぐらいはほぐさずに硬いままにしておきます。また、書く前に一度、根元まで墨を含ませ、穂先を整えながら、余分な墨を落とします。筆が十分な墨を含んでいないと、穂先が割れてしまいます。また、筆の手入れが悪い筆や、作りの悪い筆の場合も穂先が割れてしまって、ちゃんと字が書けません。

 

毛筆では姿勢が大切です。上半身を大きく使う必要があるため、体全体の姿勢が筆の動きに直接影響するからです。書きはじめる前に、まず姿勢を整えましょう。筆を持つ位置も大切です。少し高めの位置(真ん中よりやや下)を持ちましょう。筆の持ち方には、人さし指1本をかける一本がけと、人さし指と中指をかける二本がけがあります。筆を持った時に、招き猫のように手が下がらないようにしましょう。手首がまっすぐに伸びていることが肝心です。

 

「横画」は、左ななめ上の向きで筆をトンッと下し、軸を回さないように右へ動かします。このとき力を緩めないで横にスーと動かし、最後はピタッと止めます。手で書こうとせず、肘を横へしっかりと動かして書きます。この時、ロボットの動きをイメージし、上半身をしっかり使って書くようにしてください。これを青山メソッドではロボットアーム法と呼んでいます。続いて「縦画」を書いてみます。同じように穂先を左ななめ上に向け、軸を倒さないで真っ直ぐにスッと引き、ピタッと止めます。筆を送るときも、穂先の向きが左ななめ上を向いているのがポイントです。だいたい45度くらいを目安にしましょう。筆と腕の動きを見ると、筆は常に紙に対して立った状態を保っています。

 

出典:青山メソッドですらすら書ける毛筆上達のコツ 筆の正しい使い方を理解しよう -ベネッセ教育情報サイト

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