不登校の兆しがあったら? 保護者にできる対応と予防策
我が子が最近、朝起きてこない、体調不良を訴える、遅刻・早退が増え、学校を休みがちになった……。こうした不登校の兆しがあった時、保護者はどのように子どもに関わればよいのだろう。東京学芸大学教育学部准教授で、スクールカウンセラーも務める松尾直博氏に、保護者にできる対応と予防策について伺った。
***
「朝寝坊」「体調不良」「遅刻・早退の増加」などの予兆があったら、早めに学校の担任やスクールカウンセラーに相談しましょう。保護者のかたが無理に原因を聞きだそうとするのではなく、専門家に任せたほうがよいといえます。
子どもが学校を休んでしまうと「勉強についていけなくなるのではないか」「友達との関係が悪くなるのではないか」と心配し、保護者は早く学校に行かせたい気持ちになるでしょう。文部科学省の考える不登校支援では「将来、社会で自立できるようになること」を最終目標としています。中長期的な視野で子どもにどうなってほしいのかを、ご家族で考える機会ととらえてみてください。
腫れものに触るようにせず、普段どおり過ごし、子どもが家で元気になってくるのを待ちましょう。穏やかな気持ちになると、向き合うべきものに再び向かい合うことができるのです。不安や恐怖はゼロにならないかもしれませんが、本人の「学校に行きたい」という思いが強くなった時に登校できることが多いのです。
不登校を予防するためには、忙しい毎日を過ごす子どもに上手に息抜きさせること。思春期だからと距離を置かずに話をたくさんすること。子どもの好きな音楽やスポーツの話などを、たっぷり聴いてあげるとよいですね。そして、「等身大のあなたでいいんだよ」と自信を付けさせてあげることも、特に環境が大きく変化する小6から中1になる子どもにはとても大切です。よいところを認めてあげ、<自分の核>になるようなものを育んであげましょう。
出典:子どもが「学校行きたくない」と言ったら、どうする? ~保護者に心掛けてほしいこと -ベネッセ教育情報サイト