水族館を自由研究の学びの場に 着眼点をスタッフがアドバイス
イルカ・クマノミ・ラッコなど、海の生き物を観察できる水族館は、夏のレジャーの大定番。しかし、「色がキレイだな」「たくさん泳いでいるな」と、なんとなく水槽を眺めて終わりにしていないだろうか? 飼育や生育環境について学べ、夏休みの自由研究にも活かせる水族館見学のポイントを、横浜・八景島シーパラダイス・広報催事担当の鷲田侑香氏に伺った。
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近年、自然界のありのままの姿を見せる「行動展示」と呼ばれる展示方法が、水族館のトレンドです。巨大な水槽に何十種類もの海の生き物を展示している水族館も多いのではないでしょうか。
このような大水槽では、魚の群れに注目してみてください。群れをつくって泳いでいるもの、つくらないもの。群れも魚の種類によって魚と魚の間隔が異なっていたり、構成している数も違っていたりすることがわかります。
横浜・八景島シーパラダイスの大水槽では、国内最多5万尾のイワシたちの大群泳を中心に、「大海原で繰り広げられる自然界の姿」を再現しています。イワシたちがキレイに群れをなして泳いでいるのには、秘密があるのです。エイやサメといった天敵をあえて一緒の水槽に入れることで、イワシたちは緊張感を持って泳いでおり、エイやサメは、お腹がとても空いている時にはイワシを食べてしまうこともあります。
水槽の中で泳ぐ位置も、魚によって異なります。水族館では魚たちの泳ぎ方や生活を考慮し、魚たちがキレイに泳いでいる姿が見えるように計算して展示しているんですよ。大きな魚や目立つ魚だけでなく、水槽の隅や下にいる脇役たちにもぜひ注目してください。
海の生き物たちは、一匹一匹が実に個性的です。顔や体の形、泳ぎ方の違いに注目して、「この魚は怒っているような顔に見えるね」「マダイはなぜ平たい形をしているんだろう?」「この魚はずっと動かないね」など、親子で感想を言い合うのも楽しいと思います。