「赤ペン先生」だから知っている 中1の夏休みの学習を保護者がサポートする秘策

「赤ペン先生」だから知っている 中1の夏休みの学習を保護者がサポートする秘策まもなく夏休み。中学1年生にとっては中学校に入って初めての長期休暇だ。夏休みの学習は、本人の自主性に任せたいが、黙って見ているのも不安……そう感じている保護者も多いだろう。そこで、大手通信教育会社で20年以上、中学生の担当として通信添削を行っている高野千明氏に、思春期ならではの接し方、夏休みの家庭学習のサポート法について伺った。

 

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毎年、中学1年生と接していて強く感じるのは「自立心」です。自立心は尊重するけれど、ほったらかしでもいけない。そのバランスが難しい時期です。
夏休みの宿題も、保護者のサポートが必要ですが、「この宿題は自分で仕上げたんだ」と本人が思えるようにしてあげることも大切です。私たちの仕事は、子どもの自立の「後押し」です。時間を見つけて課題を提出してくれたことをほめます。1年間同じ子どもを見ていくと、学年途中での成長に驚かされることも多いです。

 

赤ペン指導の場合、子どもを知る手がかりは答案だけですが、答案を観察するとその子の特性や長所が見えてきます。きちんと取り組もうという姿勢、式の立て方に数学的センスが垣間見えます。そのように、答案から感じたことを素直にコメントし、答案の上ではその子のいちばんの理解者でありたいと考えています。

 

20点の子をいきなり100点にしてあげることはできませんが、よさを認め、次の課題を示してあげれば、子どもたちは自分から伸びていきます。点数や順位は成長の「目安」でしかありません。中1・中2時代こそ、自分から学んで「できなかったことができるようになる」楽しさを知り、保護者のかたも結果だけでなく、お子さんの成長そのものを見てあげていただきたいと思います。

 

中1の夏休みは、学習習慣次第で2学期に差が付く大事な時期です。中1の2学期から勉強が急に難しくなります。1日30分でもかまいませんので、学習習慣を崩さないことが大切です。「やろうとしている姿勢をさりげなくほめる」というやり方で、サポートしてあげてはいかがでしょうか。

 

出典:中1夏休みの家庭学習、どうサポートする?【前編】思春期ならではの接し方 -ベネッセ教育情報サイト

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