子どものやる気を伸ばす目標設定、コツを専門家がアドバイス
学習やスポーツにおいて、子どもに「目標」を立てさせている保護者も多いだろう。ただ、目標設定を間違うと、子どもの意欲をかえって低下させてしまうこともあるという。子どもの動機づけに関する研究を続ける筑波大学大学院 准教授の外山美樹氏に、子どもに自信をつけさせる目標設定のポイントを伺った。
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目標を立てることは、モチベーションを高めるためにとても有効な方法です。ですが、それ自体がモチベーションを高めるわけではありません。自分が立てた目標が達成できたとき初めて、自己有能感が高まり、活動へのモチベーションとなります。反対に、目標設定に失敗し目標を達成することができなければ、自己有能感が喪失し、かえって子どもの意欲を低下させる可能性があります。
子どものやる気を高めたいのなら、達成できそうな小さな目標を設定すること。それを達成して自信をたくさんつけさせることが、大きな目標を達成させるための第一歩になります。
目標設定のポイントをいくつかご紹介しましょう。
●具体的な数字や期間を入れた目標を立てる
「毎日1時間勉強する」「サッカーのリフティングを20回以上できるようになる」など
●自分の能力によって達成できる目標を立てる
「連立方程式が解けるようになる」や「逆上がりができるようになる」など
●複数の目標を立てる
できれば得意な分野で複数の目標を
「(○○に)言われたから」という他律的な理由で目標に取り組む子どもより、「自分が○○したかったから」という自律的な動機で取り組む子どものほうが意欲は高いことが、研究から明らかになっています。子どもと話し合いながら、子どもが納得できる目標を立てましょう。目標を達成できたという喜びから、次第に自分から目標を発するようになるはずです。また、目標について親子で話し合う機会は、よいコミュニケーションの場にもなります。