「親子留学」は初めての海外経験として理想的、と専門家
小学校でも英語が教科化されるなど、近年英語教育への関心が高まっている。そんな中で注目されるのが、親子で英語圏に出かけ、気軽に生きた英語に触れられる「親子留学」だ。「音を聞き取る能力は子どものほうが優れているので、幼いうちに生の英語に触れておくことは効果的」と話すのは、東京工科大学教授で、言語教育学、児童英語教育を専門とする豊田ひろ子氏。自身も子育て中という豊田氏に、「親子留学」について聞いた。
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聴覚は成長するにつれ、母語よりにチューニングされるので、日本語にはない外国語の音を聞き取る力、反対に下がっていきます。ですので、幼いうちに英語に触れておくのは効果的です。子どもは、感覚をフル稼働させ体験から学ぶことが得意。しかし、突然、まったく日本語が通じない環境におかれると、パニックを起こしてしまいます。そこで、保護者と一緒に安心して生の英語に触れられる「親子留学」は、初めての海外経験としては理想的なのです。
言葉は本来、心や体の動きと共に出てくるものです。痛い時は「イタッ!」「Ouch!」と叫んでしまいますし、おなかがすくと「腹減った~」「Hungry…….」と力の抜けた声が出ます。子どもは、そういう全身を使ったコミュニケーションが得意です。保護者のかたは、ぜひ子どもたちの中から出てくる言葉を大切にしてください。
最近の研究では、「聞く」「理解する」といった知識のインプットだけでなく、自分が言いたいことを「表現する」アウトプットの重要性がわかってきています。たとえば、外国人と接して感じたことを、その場でお母さんに「日本語で話す」だけでもよいのです。
「親子留学」を検討していらっしゃる保護者のかたにおすすめしたいのは、「ご自分が楽しむ」こと。異文化にふれる驚きを子どもと同じ目線で共有して、楽しんでください。親子で感動を伝え合う体験もまた、コミュニケーション力の基礎になるのです。